「はい、どーぞ」
「ありがとうございま、……す……?」
コトリ、と机に置いてくれたコップ。
洒落たものが出てくるのかと思ったら、何色と言ったらいいのかわからない─濁っている、ということは確かな飲み物が出てきた。
特にヤバイ臭いはしないけれども。。
「あー……の……これ、何ジュースですか?」
「……さあ?」
「さあ!?」
「貰ったの!でもさ、ヤバそうじゃん?樋坂ちゃん飲んでみてよ」
チューっと美味しいだろうイチゴオーレを飲んでいる奴が何を言うのか。
「それ、毒味っていいますよね……???七恵先輩だってヤバイって思ってるもの人に飲ませるんですか!」
「じゃあこれとこれどっちがいい?」
コトリ、とまた何か机に置かれる。小瓶……??
「…………えっと?、いまいちよく分からないんですけど」
「ん〜?……こっちはねぇ、不味くはないよ」
「つまり美味しくはないってことですね」
「こっちよりは美味しいと思いまーす」
「アバウトすぎます。どっちもいりません」
却下だ却下!こわすぎる!
生クリームかカスタードだったら潔く選んだが。
「それはナシ!!わかった、このジュースにこれ入れるからどっちも体験してみよ?」
「ヤバそうなものにさらに追い討ちかけるのやめませんか……」
「あっゴメン、入れちゃった!」
「…………悪気が無さすぎて清々しいです」
「はい、飲んで???」
「先輩が飲んでから飲みます」
よしあともう一息。
わかった!と言った七恵先輩を尻目に俺の手はキーボードを叩いている。
実はこれでも作業は進んでいるのだ。副会長さんのまとめ資料が分かりやすいのなんの。
「…………ん?」
わかった─って言わなかったか????
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shiori
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