「はい、どーぞ」

「ありがとうございま、……す……?」

コトリ、と机に置いてくれたコップ。

洒落たものが出てくるのかと思ったら、何色と言ったらいいのかわからない─濁っている、ということは確かな飲み物が出てきた。

特にヤバイ臭いはしないけれども。。

「あー……の……これ、何ジュースですか?」

「……さあ?」

「さあ!?」

「貰ったの!でもさ、ヤバそうじゃん?樋坂ちゃん飲んでみてよ」

チューっと美味しいだろうイチゴオーレを飲んでいる奴が何を言うのか。

「それ、毒味っていいますよね……???七恵先輩だってヤバイって思ってるもの人に飲ませるんですか!」

「じゃあこれとこれどっちがいい?」

コトリ、とまた何か机に置かれる。小瓶……??

「…………えっと?、いまいちよく分からないんですけど」

「ん〜?……こっちはねぇ、不味くはないよ」

「つまり美味しくはないってことですね」

「こっちよりは美味しいと思いまーす」

「アバウトすぎます。どっちもいりません」


却下だ却下!こわすぎる!
生クリームかカスタードだったら潔く選んだが。


「それはナシ!!わかった、このジュースにこれ入れるからどっちも体験してみよ?」

「ヤバそうなものにさらに追い討ちかけるのやめませんか……」

「あっゴメン、入れちゃった!」

「…………悪気が無さすぎて清々しいです」

「はい、飲んで???」

「先輩が飲んでから飲みます」

よしあともう一息。
わかった!と言った七恵先輩を尻目に俺の手はキーボードを叩いている。

実はこれでも作業は進んでいるのだ。副会長さんのまとめ資料が分かりやすいのなんの。


「…………ん?」


わかった─って言わなかったか????



mae ato



33/143 / shiori








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