「それで〜?終わりそー?」
机は飽きたのか、立ち上がって今度は俺の膝を机にしてしゃがみこんだ。俺は机じゃない。
「……あと1時間はほしいです」
頑張ったら40分くらいで終わるだろうけれど、明日まで猶予はあるので休憩は挟むつもりだ。
「ふうん。今日は親衛隊隊長─甲斐凪クンはいないの?」
「俊……ですか?、今日は忙しいみたいですよ」
喧嘩してるなんて言えない。口が裂けても言えない。
「一緒一緒、おれのとこもなんか忙しいみたい」
「そうなんですか、」
「うん。だからさ〜暇してんだー」
「仕事があるじゃないですか……」
「書記ちゃん空気読もうよ!!」
最もな返事をしたはずでは。とまあBGM代わりに膝の上で喚いている人は適当に流して、カタカタとキーボードを叩く。半分まではいった。
「書記ちゃん〜」
「……樋坂鈴葉です、会計さん」
「うっそ、おれの名前覚えてなかったの??七恵蓮(ななえれん)だよ、樋坂ちゃん。あ、鈴葉ちゃん?」
「七恵先輩ですね。好きに呼んでくださって大丈夫です」
「じゃあ今は樋坂ちゃんの気分」
「そうですか……」
「あ、そーだなんか飲む??ジュース貰ったんだよねぇ」
「…………」
生徒会の皆さんは唐突なお茶会が好きらしい。
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shiori
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