*丹和寺視点
お昼休み。いつものように盛大な歓声をうけて役員席に着席する。食べたいものをそれぞれ頼んで今は待っているところだ。
ただ、樋坂君は姿を見せない。
あれでも来るように釘は刺したつもりだったが。
空席を見つめて、甘かったかとため息をついた。
「書記ちゃんダイエットでもしてんの?」
そうしたら、僕の視線でも追っていたのか、タイミングを見計らって蓮が訊ねてきた。
「彼に限ってダイエットは……ありえない」
紅茶の件がある。
「ふうん??あ、そーいや会議のときおれ書記ちゃんの親衛隊クンにめっちゃ睨まれてさ、手だして無いんだけどなぁ〜」
「……全員睨まれてたんじゃないかな?まあ蓮にはキツかったけどね」
「お〜こわ。あ!きたきたー!お腹空いてたんだよねぇ」
いただきまーすと手を合わせる蓮を尻目に、隆也に少し気がかりなことを聞いてみた。
「彼の親衛隊人数は増えた?」
「…………4人」
「……4人」
「アレも含めて5人だ」
「……そう。残りの希望者は?」
「……黙らせたンじゃねぇか?」
「…………そう」
あまり過激だと、風紀から目をつけられる可能性があるのだ。変な弱味は握られたくはない。
そういった問題を避けるため、樋坂君にはできるだけ役員の誰かと行動を共にしてほしいのが希望だが、何か他に手はないか考える必要がありそうだ。
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shiori
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