「オイ…………テメェかよ今踏んだのは」
「!…た、…確かに俺ですけど!!その不注意で躓いただけで、悪意はありませ……!!……うしろ!」
「は?……っ!!!!!」
不良さんの後ろに、見慣れた人物の恐すぎる般若が見えて、これは警察沙汰になりそうだと変な勘が俺に告げた。
かすったけれど、なんとか不良さんは受けとめたみたいだ。
「…………………鈴葉様、止める必要はありませんでしたが」
「あ、あったから……!すっごいあったから!!!しかも悪いのどっちかっていったら俺だから!!」
「鈴葉様が悪かろうと良かろうと危害を加えるものは殲滅対象です」
ああ…………すごい引いてるから不良さん……。。なんだよ残滅って。
「シロ、ごめん。また今度……不良さんも、すみませんでした……。俊……!一緒にご飯食べよう、こっ、ち……!」
このままでは埒があかない。
そう感じた俺は、未だ無言の攻防を繰り広げている俊を引っ張って、庭を出ていくことにした。
「……食堂へは、行かれないのですか?」
「行かない!もう俺の部屋でいいだろ!」
「何を怒ってらっしゃるのです」
「俺はお腹すいてんの!」
「…………」
安心してご飯も食べられない。
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shiori
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