「オイ…………テメェかよ今踏んだのは」


「!…た、…確かに俺ですけど!!その不注意で躓いただけで、悪意はありませ……!!……うしろ!」

「は?……っ!!!!!」


不良さんの後ろに、見慣れた人物の恐すぎる般若が見えて、これは警察沙汰になりそうだと変な勘が俺に告げた。

かすったけれど、なんとか不良さんは受けとめたみたいだ。

「…………………鈴葉様、止める必要はありませんでしたが」

「あ、あったから……!すっごいあったから!!!しかも悪いのどっちかっていったら俺だから!!」

「鈴葉様が悪かろうと良かろうと危害を加えるものは殲滅対象です」


ああ…………すごい引いてるから不良さん……。。なんだよ残滅って。


「シロ、ごめん。また今度……不良さんも、すみませんでした……。俊……!一緒にご飯食べよう、こっ、ち……!」


このままでは埒があかない。

そう感じた俺は、未だ無言の攻防を繰り広げている俊を引っ張って、庭を出ていくことにした。


「……食堂へは、行かれないのですか?」

「行かない!もう俺の部屋でいいだろ!」

「何を怒ってらっしゃるのです」

「俺はお腹すいてんの!」

「…………」


安心してご飯も食べられない。


mae ato



25/143 / shiori








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