「あ、」

「お疲れ様です。鈴葉様」

俺の部屋の前。生徒会室から戻ってきたら、置物かってくらいの姿勢で俊が立っていた。俺が部屋にいないと部屋に入られないのか……?

「明日は9時に会議だそうですね」

「なんで、」

「?、親衛隊隊長は付き添えますので、連絡がきます」

「そ、そう」

こいつなら知れそうで少し疑ってしまった。いや、正直知れるんじゃないか……?


「今夜はお疲れだと思いますのであっさりめなパスタをと考えております。クレープも」

「ありがとう……できたら言って」

「はい」

ってだから俺はなんで普通に部屋に招き入れてご飯を作ってもらうことに?

「しかも偉そうになってきてない……?」

いいのか、俺。
駄目じゃないか、俺。

寝室で部屋着に着替えながら、ぐるぐる頭を回す。こんなときはそうだ、雅也に電話しよう────






『これを日課にする気か』

「いいだろ。生徒会のことリークしてやるよ」

『乗った』

ベットの上でクッションを抱きながら置いてあるくまのぬいぐるみと格闘する。

「っていうか、生徒会と風紀委員ってなんであんなに仲悪いんだ」

『……くだらない理由だとは思うが?裏で族の闘争とかそういうものであってほしい』

「それ雅也の願望、」

『俺はあながち間違っていない自信がある。それで、どうした』

「んー、いや、だいたい雅也の妄想通りの形っていうか、なんか、副会長さん実際腹黒いかもって思ったし」

『……俺が喜びそうな話題は?』

「ええ?、うーん。会計さんに好かれそうなタイプだって副会長さんが言ってきた?とか?」

『副会長とのフラグはなしか……』

「フラグ?あっなんか仮眠室たまに会計さんがセッ──」


そこまで言ったところで、不意に後ろから口を手で塞がれた。と思ったら、携帯をとられて通話を切られる。


「鈴葉様、できましたよ」


にっこり。


恐すぎ。



mae ato



20/143 / shiori








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