これだけは分かる……分かるぞ……いつだって会長の挨拶は阿鼻叫喚を生むものだと!!!

副会長さんが言う通り、5分前と3分前に来た会長と会計を加えて生徒会から新学期の挨拶というものが始まったのだが、昨年生徒側として聞いていたよりも、生徒会側で聞くほうが悲惨だった。

あまりの壮絶さに終始耳を塞いでいた俺を見てクスクス笑っている会計さんしか記憶にない。



「はーい終わり終わり〜じゃあおれ、予定あるから帰るね〜」

「俺も帰る。用は済んだからな」

いまだ悲鳴─歓声が止まない中、舞台から降りるなりギリギリ組がさっさと講堂を出ていく。いいの?いいんだろうけど……。

「あとは風紀だからああなっちゃうんだよ。本当なら僕も帰りたいんだけど最後に教務から年間行事表貰わないといけなくて」

「は、はぁ、」

全部が全部雅也から聞いていた以上の有り様でなんだかもう笑ってしまいたい。

そのときだった──


「相変わらず、生徒会はご立派な御身分だなぁ?」

「わ、!」

「樋坂君……!」

「コレが新人か。精々仲良くしてくれよ新人クン」

か、完全にヤンキーじゃねえか!!!!!

腕につけられている腕章を目に、心のなかで盛大なツッコミを入れさせていただいた。

流石にいきなり首もと引っ張られてガン飛ばしてくるやつに喧嘩は売れない。あと、風紀だし……?



mae ato



16/143 / shiori








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