講堂裏にて。

「樋坂君、そう怯えなくていいよ。就任式といっても、表向きは新学期の挨拶だから、会長の一言を後ろに座って聞いてるだけでいいから」

ね、と。絶賛副会長さんに何故か怯えていると勘違いされていたりする。

この人、腹黒に全然見えないけどな。名前は丹羽寺晃(にわじあきら)というらしい。

「ああ因みに風紀へはガンを飛ばしてもらって大丈夫だよ」

「か、垣間見た」

「?、樋坂君?」

「い、いや、いえなんでもないです。会長と、会計さんは……?」

あと数十分で生徒会からの挨拶が始まるというのに姿を見せていない。

「隆也は5分前、蓮は3分前に来るんじゃないかな?」

「そう、なんですか」

「大体いつもそのくらいだね」

「ギリギリですね」

「サボらないだけマシだよ。その点いつの時代も書記は15分前に来るけどね」

そう口許に手を添えて微笑む姿はまさに王子様。


今更だが、学園の1位2位を争う顔の持ち主と会話していくことになるのは、凄いことなんじゃないかと……じゃないかと……。

「どうしたの?僕の顔に何かついてる?」

「いえ、見惚れてました」

「成る程ね」



あ、言われなれてるっぽい。



mae ato



15/143 / shiori








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