「…、これ、必要ある…?」

「ああ、効率がいいだろう」

「そ、そうなんだ」

寝室へと移動して、ベッドに座ったら黒いハンカチか何かで目隠しをされた。どう効率がいいのかはイマイチ理解できないが、お願いを聞いてもらう身なので大人しく従う。

「とりあえず、シャツとズボンは脱いでくれるか。下着はまだいい」

「上も脱ぐの?」

「汚れたらどうするんだ」

「あ、そっか」

目隠しの前に済ませた方がよかったくね?と思いつつ、感覚を頼りにどちらも脱いで一旦手に持っておく。流石に見えない状態で邪魔にならないところへ置く事はできない。

「畳んでおく」

「、ありがとう」

けれどそれを見越していたのか、すぐに服が回収された。何も見えないし手持ち無沙汰だし肌寒いしで、体育座りをして気を紛らわせる。服以外にも何か準備をしているのか、彼の気配はまだ遠い。

「…………」

「悪い、待たせた」

「!、う、ううん……」

「そのまま後ろに寝転べるか」

程なくして声が掛かり、背中を支えられながらベッドに寝転ぶ。同時にパチ、と音がして数秒後─胸に液体が垂れてきた。


「ッ─!!!」

「冷たかったか?」

「っ、び、びっくりし─、…ン!」

「…随分と感度がいいな」

「っ、…ん、!…ッ、あ、」

ローションを塗り込むように親指がぐるぐると乳輪を撫でて、すぐに芯をもつ乳首を巻き込んでこりこりと捏ねていく。視覚情報が無いからか、胸から腰、腰から下へと伝わっていく気持ちよさがやけに鋭く感じた。

「このまま問題なくイけそうだが、」

「んっ…ちが、…それ、意味ない……っ」

「何が意味ないんだ?」

「…お、奥も─触ってほしくなる、から……」

「、おいおい…仕込まれすぎじゃないか?」

「…?、あっ、…なん、で……いみないって…言った、ぁ」

胸を弄る手を止めてくれるわけではなく、完全に硬くなった乳首を親指と人差し指とで摘まんでくりくりと左右に玩ぶ。ぎゅっ!と強くつねられたり、指の腹で撫でられたりを繰り返されるうちに射精感がどんどんと競りあがってくる。

「…もう出そうだな」

「─!、んっ…、いく、っ、──〜ッ!!っ!」

彼の言う通り、びゅるっ、と我慢できずに下着の中で達してしまった。おかしい、普通にイけた。

乳首でだけど…。

「…………」

「…、雅也……?」

「…なんだ」

「いきなり、静かになるから…」

「ああ……どうするんだと思って」

「え?」

「イけただろ」

「うん」

「やり方は違えど、目的は済んだ気がするが?」

─確かに、無事にイけたから当初の問題は解決しているけれど、正直さっきからめちゃくちゃ物足りない感情に襲われている。イけなかったときもこの感情はあったし、どっちにしろ1人では解決できない新たな問題にたどり着くわけで。



mae ato



134/143 / shiori








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