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「大丈夫ですか?」
ちゃぽん、と本日2回目のお風呂。
行為が終わって、汗やら何やらを流しにきたがもう夜中だ。
今は湯船につかってまた俊に凭れている。
「んー……ねむい」
めっちゃ疲れた。
体力ねぇ…と一瞬嘆きそうになったが、今日俺は学外に遊びに行ったし全力疾走したし、会長の部屋にまで行った。しかも初めてフェラまでしてしまった。おまけにセックス。
自分でもドン引きしている。
もうスタミナのスの字もない。
「やばい、ねそう……」
丁度いいお湯加減とこの疲労感はどんどん睡魔を誘ってくる。
「─あがりましょう、」
「うーん……」
「鈴葉様、」
ぐい、と凭れていたのを起こされて少し意識が戻る。
隣で俊が湯船からあがった音が聞こえた。
「立てますか、」
「ん、」
重い腰をなんとか持ち上げて俺も湯船からあがる。
ガチャ、と風呂の扉が開いたら涼しい風が一気に入りこんできて、それさえも睡眠を促してくる。
「段差気をつけてください」
「んー、」
手を引かれてなすがまま、バスタオルで拭いてもらう。
「……起きてますか」
「ん」
「…'ん'だけじゃ説得力ないです。手を上げて」
「んー」
ばさ、とTシャツが着せられた。
「次は脚を」
「ん、自分ではけるよ、」
「…逆の脚」
「ありがと、」
適当な返事は流されて、そのままズボンも履かしてくれた。
あとはベッドに行くだけ──
「鈴葉様、髪の毛がまだです。風邪引きます」
「今日はいい、もうねる、」
「寝てもいいですが、俺が来るまではベッドで座って待っててください」
「んー…じゃあここでまってる」
ベッドに行ったら待てない。絶対に寝転ぶ。
壁に凭れて服を着ている俊を見やる。なんでみんな腹筋そこそこ引き締まってるんだ?あの雅也も俺より筋肉ついてるんだよなあ……実はこっそり筋トレでもしてんのかな…
「お待たせしました」
「ん」
ドライヤーを手にした彼が寝室まで行くのをのそのそと追いかける。
「しゅん、」
「はい、」
「おやすみ」
「…おやすみなさい」
明日またお礼言おう。
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shiori
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