午後22時。
消灯時間だ。

あれから特に詮索されることもなく、ご飯とマカロンを食べて普通に過ごしていたのだが、俺はいま、ソファーに座っている俊の前の床……率直に言うならば彼の股間の前に座らされている。

部屋の中は間接照明の類は着くので完全に真っ暗というわけではないが、逆にそれがこの雰囲気を後押ししてしまっている。やばい。

「、今日泊まるの…?」

「はい」

「そっか……、あー…、でもご飯食べてないよな?」

「鈴葉様が学園にご帰宅される前に摂ってますから大丈夫ですよ」

「……な、ナルホド……」

はは、これは言い逃れができない気がしてきた。

「ですから、先程の続きをお願いしようかと」

「う、」


やっぱり……!!

もうこの位置に座らされてしまった時点でお察しだが、コイツ…泊まるつもりだったからあっさり身を引いてたのか…?

だからって風呂場では後ほどとも言ってたしそれに対して否定するような事を俺は言っていない。

そう、言ってなかったんだ俺は。


「いつでもどうぞ」

「…い、いつでもって」


男のちんこなんか触ったことねえわ!!

いいや自分のはあるけど……………

っていうか勃ってないのに勃たせる必要ある?風呂場で抜いてきたんじゃないの?ほんとに治まるまで堪えてたとかないだろ…!

「鈴葉様、」

「っ、…わかってる」

駄目だ、うだうだ考えても状況は同じ。
手っ取り早く済ませた方が救いだ。

一度深呼吸をして、片手をそっと俊のペニスにあてる。
それから形に沿って上下にゆっくり擦っていく。


けれど、

まって、これ、もう、すごい恥ずかしすぎて、しにそう。

ズボンの上からだとしても直視するのも布が擦れる音も恥ずかしい。

なんで俺はあの時触ろうか?なんて言ったんだ馬鹿野郎。


「、……んっ、!」


突然するっと彼の手が首筋を伝って、耳輪を弄る。冷たかったのもあって触っていた手に思わず力を入れてしまった。


「っ!」

「あ、、ごめ……っ、ン…」

「─いえ、その位の方が丁度いいですよ」

「それ…く、くすぐった…い」

「手、動かしてください」

「ん…、っ」

こす、こす、と少し揉みながらペニスを擦る。それに合わせるように俊の指先が耳裏から首筋をつたっていく。


なんか、気持ちよくなってくるかも…



mae ato



117/143 / shiori








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