「卒業していない」

「…………あっそう」

誰かは覚えてないけれど、出来ることなら彼にはあと2年遅く生まれて欲しかった。

「俺、生徒会とか風紀委員に興味なさすぎて顔もうろ覚えなんだけど、注意しといたほうがいいことってある?」

荷物をまとめ終えた俺は、名残が惜しいので雅也の隣にいって話を始めた。今まであまり気にしなかったが、雅也ってなんでも知ってるんだよな。

「食われるなってことくらいじゃないか。食われたいならいいが」

「もういいってそういうの。そのときの気分で決めるから。他は?」

「おい待て聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが、」

「他!」

「……生徒会と風紀は仲が悪い。そういう呈でいろ。あとはそうだな、会長は俺様、副会長は腹黒、会計はチャラいってことだけ覚えておけば適当に流せるだろう」

「会計さんに注意したらいいわけか」

「……あとはお前の親衛隊が申請されてるだろうから、無闇に授業には来ないことと、俺に関わるなってことくらいか」

「えっ……無理。授業は我慢できても雅也には会いに来る」

「やめろ、お前の親衛隊隊長は俺の予想ではアイツなんだ。命が足りない」

アイツ……?
俺としては親衛隊はどうでもいいのだが、つまり俺の親衛隊なのだから

「俺が雅也に会いに行くの邪魔すんなって言えばいい話だろ。その、隊長?さんに」

「視線で殺される」

「死ぬかよ」


目からビームかって。


mae ato



10/143 / shiori








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