「雅也、俺って抱きたい顔してんの?」
生徒会役員は一人部屋が嫌でも用意されてしまうため、自分の荷物をまとめながら、1年間同室でお世話になった友達の戌川雅也(いぬかわまさや)に素朴な疑問をぶつけた。この1年間、特に言い寄られるなんてこともなかったから、不思議なのだ。
「……お前、その台詞俺以外の前で言うんじゃないぞ」
「なんで?」
「俺は見る専だから支障はないが普通だったら食われるからな」
美味しい展開だが忠告だって真顔で言いながらまたノートパソコンに向かい合った。
「食われるって、言われても……。」
彼はこの学園に来て初めてできた友達で、殆どがエスカレーター式であがってくる中、何にも分かってなかった俺に色々学園の風習を教えてもらったりして非常に助かっているのだが、時々……いやしょっちゅう意味のわからない事を言ってくるので怖いときもある。
基本真顔だし、笑うとしても鼻でわらうか微笑む(レア)かのどっちかだし。あと直ぐに壁とか床とか机とか叩き出すし。。。
でも、
「嫌だなあ、一人部屋」
「…………」
「雅也と一緒がいい」
「っ……クソ俺が今戌川雅也でなかったら最高の流れだ……ッ」
早速ドンッて机を叩いていた。
なんだよ俺と一緒は嫌なのか。
「もういい。てか、前までいた書記さんはどこいったの?俺以外は継続してんだろ??」
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shiori
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