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甘美なる生活を
◎気まぐれ厳禁(甲斐凪+モブ)
私は高等部に上がって念願の写真部に入部した。理由はこの学園の副会長、丹羽寺晃様のご尊顔をコレクションしたいがため。
但し、写真部には絶対に破ってはならないルールがある。
それは晃様と同じ生徒会の樋坂鈴葉様をフォーカスして撮影してはならないと言うことだ。
偶然写り混んだり、生徒会メンバーと写っているものは問題無いらしいが、触らぬが仏。何があったかは分からないが、写真部存続の危機に関わるらしい。
樋坂様はよく晃様と一緒に過ごしている所を見るので、わりと私のカメラには写り混んでいたりする。
今だって楽しそうにお話をしながら廊下を歩いているし。
(樋坂様もお顔が大変麗しく、人気がある筈なのに、写真部に入ってもコレクションが出来ないのは同情するなぁ)
なんとなく晃様からピントを樋坂様に合わせて、カメラの調節をしていたら、急にファインダー越しの視界が暗くなった。
「えっ、…」
驚いてカメラから顔を上げると、そこにはとある先輩が立っていて、私を冷たく見下ろしていた。
「何をされているんですか?」
「しゃ、写真を……」
「何の写真ですか?」
「あ、晃様の……」
「…ああ、それは失礼。では」
「………」
そう言って去っていったとある先輩…樋坂様の親衛隊長様だ。
噂通りめちゃくちゃ怖い人。
(今のって牽制…?)
写真部のルールを改めて肝に銘じた瞬間だった。
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