■8月25日

「ツナー」
「どうしたの、姉さん」
「了平君に誕生日プレゼント渡そうと思うんだけど、何が良いか悩んでて……」
「あ、そういえば明日お兄さんの誕生日だっけ」
「うん。でね、プレゼントに何個か候補があるんだけど、どれにしようかなって迷っててるの。選ぶの手伝ってくれない?」
「良いよ」
「まず最初は……(おもむろに服を脱ぎ始める)」
「わあああああああああああああ! ストップ、ストップ! 何してんだよ! 何で脱ぐんだよ!」
「何でって。生まれたままの私にリボン掛けて『プレゼントは私』ってやつを実演しようと……」
「実演しなくて良いよ! 実演する必要ないだろ! っていうか、そんなプレゼントないから! 相手は健全な中学生なんだぞ!」
「私だって中学生よ、失礼ね」
「姉さんは不健全な中学生じゃないか! 同じ頭で考えるなよ!」
「な、なんて失礼な弟なの。流石に怒るわよ。全裸になりなさい」
「なんで全裸になんなきゃなんないの!?」
「私が楽しみたいからに決まってるでしょ」
「何さも当然のように言ってるのおおお?!」
「……」
「脱がしにかかるな! い、良いから次のプレゼント候補に移ってよ!」
「えーっと、次のプレゼントはコレ」
「何この紙……半分記入してある……」
「婚姻届」
「重…………っ!!」
「駄目?」
「駄目だろ! ないだろ! っていうか、中学生だから! お兄さんも姉さんも中学生! まだ結婚できないから!」
「提出できる年になるまで持っててくれれば良いじゃない」
「何の戒め!? 怖いよ!」
「ツナ。さっきからぐだぐだぐだぐだぐだなんなの……?」
「えっ、いや、何で俺が悪いみたいな雰囲気になってるの? どう考えても姉さんが普通じゃないプレゼント出してくるせいだよね?」
「何処が悪いのよーう」
「ずーいぶん軽いなー」
「まあ良いわ。最後は、コレよ」
「えっ、もう最後? 今の流れだともう最後のヤツをプレゼントするしかないと思うんだけど……ってDVD? 随分まともだね。なんかの映画?」
「私によるめくるめく愛の了平君盗撮記録よ」
「へー、盗撮記録かぁ……って何してんだ、あんた! 盗撮とか犯罪じゃないか! そんなもんプレゼントするなよ! 怖いだろ!」
「じゃあ、何をプレゼントすれば良いのよ! さてはアンタ、了平君が好きだからって私の邪魔してんじゃないでしょうねえ!!」
「んな訳ないだろ! 寧ろ逮捕されないように全力で協力してるよ! 感謝して欲しいくらいだよ!」
「うっさいわよ! ホモ!」
「ホモじゃねーよ!」
「……」
「俺の服に手をかけるな! だから何で脱がそうとするんだよ!」
「罰としてペロペロしようと」
「何処を!? 何を!? ちょ、ま……かっ、かあさあああああああああああんっ!!」

■8月26日

「了平君!」
「おお、カナタではないか! 何で俺の部屋にいるんだ?」
「今日は了平君の誕生日だから……お誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
「これ、プレゼントなの、良かったらもらって」
「DVD?」
「良かったら見てみて」
「……これは……!」
「どう!? 了平君……!」
「なるほど、右肘の向きがおかしい……踏み込む際はもっと角度を変えた方が良いな……こうしちゃいられん! 俺はトレーニングに行って来る!」
「頑張って! 了平君!」
「ああ! ありがとう、カナタ! このDVDは貰って置くぞ!」
「うん! 了平君の役に立てて良かった……!」



「はっ!」
「どうしました、十代目!」
「何か今、すごくつっこまなきゃいけないような気がする……なんなの……!?」
「何処かに奇襲に行かれるのならおともしますよ! 十代目ぇ!」


なんだこれ


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -