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やー、昨日の夜はごめんねー!
やっぱり、あの時もいたからさ。
ソラちゃん気づいて無かったみたいだし、感づかれない方が良いのかなーと思ってさ。
ところで。
前からずっと気になってたんだけどさ、ソラちゃんの日記って、必ず獄寺氏が出てくるよな。
獄寺君とソラちゃんって付き合ってる訳じゃないんだよね?
彼が悪い奴じゃないのは知ってるけど、どうにも不自然な感じがしてさ。
実を言うと、交換日記を引き渡す公園、いつも獄寺君隠れて見てるんだよ。
もしかして、ソラちゃんが頼んだ?
だったら全然構わないんだけど。
それだけです!

てか、跳ね馬泊めてるの!?
今度俺もソラちゃんの家に泊まりに行きたいよー!
前回で俺の良さも分かったみたいだし、もっとデレても良いんだよ。

そして俺は今日めっちゃ疲れましたー。
何か、朝っぱらから骸さんが幻覚で実体化して犬いじめててさ。
犬がまたパイナッポーとか何とか騒いでたらしいのね。
まあ牢獄の中で退屈なんだろうから、このくらいは良いかと放っておいたら、案の定疲れちゃって骸さん帰ったんだわ。
お陰でクロームはぐっすり。千種は最後までガン無視でゲーム。
そこまでは良かった。

一時間ぐらいゆっくりしてたら「まずい事になりましたね」とか何とか言って、クロームが起きたんだ。
クロームっつぅか、クロームの体を借りた骸さん。
どうしたのか聞いたらバーズが来るんだって。
へー、バーズ。懐かしい。とか思ったら、骸さんの様子がおかしい。
事情を聞いてみたら、バーズはクロームを探してるんだって。
何か、クロームに一目惚れしたとかなんとか。すごい話だね。
バーズって確か40近いおっさんだったはず。
それが13歳の子に惚れるとか、もう、すごいよね。犯罪だよ。
いや、バーズなら分かる気もする。流石バーズ。
「クロームは変態に好かれやすいようで。困ったものです」お前が言うなし。

そんな感じで。骸さんはバーズとクロームを会わせたくないんだって。
出来れば骸さんが実体化出来れば良いんだけど、犬のせいでそんな力が残って無いらしい。
犬のせいじゃなくね?と思ったけど黙ってました。
とりあえず千種に骸さんを任せて、俺は近くにいるらしいバーズの様子を伺いに行く事にしたんだ。

外に行って、どうすっかな、と思いつつ、とりあえず黒曜の制服来たオッサンがいないか話を聞いたら直ぐにバーズは見つかりました。
黒曜中の方にいるらしいんで移動。校門前で不良に囲まれているバーズ発見。
ああ、このままやられちゃえば解決じゃんって思ったら、バーズが「忍くーん!」とかって声を掛けてきました。
逃げようと思ったら、何かヂヂとジジもいて、退路が塞がれた。
「うじゅじゅ、忍君、お久しぶりですねぇ」お前何でまだ黒曜の制服着てんだよって思ったけど、俺も着てた。
「ところできみ、ここに通ってますよね」実は俺、通う必要ないのにまだ黒曜中に通ってるんだー。
骸さんも好きにしていいって言うから、趣味で。
それを聞きつけたバーズが黒曜中にいる俺に会いに来たんだって。
今夏休みなんだけどね。
黒曜ランドに直接来なくて助かったけどさ。
でも何でクロームじゃなくて俺?って思ったら、バーズの奴、クロームが骸さんの配下にある事を知らないらしい。
おー、じゃあクロームは行動に気をつけてりゃバーズと会う必要ないじゃん!
そんな俺の思惑も知らずバーズは「実はこの学校の女子生徒の事で話を聞きたくてですねえ、お腹を出していて、骸さんに似た髪形の眼帯を付けた子なんでしゅけどぉお」だって。
骸さんと同じ髪形って思った時点で、骸さん関連だと気付かないのがすごいわ。
適当に相手をして適当な所で帰って貰おう。そう思った時だった。
「あの子ですぅう」バーズ大興奮。
ええ?と思って後ろを見たら何故かクロームと千種の姿。
何でいるんだよ!って思ったら既にバーズがクロームに突撃してた。
骸さん疲れて引っ込んだのかな、と思ったけどクロームが「千種、時間を稼いでください!」とか言ったからどうやら骸さんらしい。
千種がバーズに立ちはだかってヂヂ&ジジと戦い始めるなんともシュールな図を見ていたら、骸さんが俺の腕を掴んで走り始めた。
正直その時は意味が分からなかったね。

「どういう事ですか、骸さん」大分離れた所で、聞いてみた。
「それはこちらの台詞です」何かお怒りの様子。
俺何かしたっけ?と思いつつ骸さんの話を聞いてみたら、千種と留守番してたら俺が美味いチョコ専門店を見つけたって話を聞いたらしい。で、どうしてそれを言わないのか、今すぐ連れて行けって事なんだと。

別に今じゃなくても良くね?

っていうか、今そんな状況じゃなくね?

しかし骸さんの頭は見た目だけじゃなくて中身も俺には理解不能だから、仕方が無い。
「さあ、今すぐ僕をチョコレート専門店に連れて行ってください」
何が悲しくて男と…って思いつつも、今の骸さんは見た目は女の子、しかも可愛いクローム。
連れて行ってくださいって言ってる声も女の子の声。
普段の愁いを帯びた表情のクロームじゃなくて、すました感じの雰囲気もなかなか似合ってて良い感じ。
うん、悪い気はしない。
という訳で俺は骸さんを連れてチョコ専門店に行く事になりました。

チョコ専門店についたら、チョコスキーな骸さんが大興奮。
可愛いなーって思いつつ、中身が骸さんだと思うと涙が出そうになった。
俺は何をしてるんだ?何が悲しくて骸さんと二人きりでチョコ専門店でチョコ買いに来てるんだ?
実際の絵面を考えると悪夢だよな。
でも「忍にも何か買ってあげましょう。食べたい物はありますか」とか言って笑う涼やかな顔が可愛いからもう何でも良いやと思った。
二人で笑いあいながらチョコを沢山買ったよ。

誤解しないでくれよ、ソラちゃん。俺は男が好きだとか、そんな趣味は決してない。
俺が好きなのは君だけだ。

なんつて☆

チョコレートを買って店を出たら「見つけましたぁあ!」と、バーズに掴まりました。
千種が負ける訳ないから、多分ヂヂ&ジジと戦ってる間に逃げたんだと思う。
骸さんは相変わらず、すました顔。
「忍、なんとかしなさい」
俺に押しつける訳か。そりゃすましてられる訳だ。
とりあえずバーズはクロームが好きだけど、クロームが骸さん関連の子だってのは知らない。
それを踏まえて追い払う事にした。
「バーズ。悪いけど、この子、俺と付き合ってるんだわ」
「うじゅっ!?それはいったいどういう事ですかぁ!」とか言いながらもバーズはクロームのへそしか見ていない。
「うん。どういう事もそういう事だから、諦めてくれ」
「ちょっとで良いので!ちょっとで良いので!」
「何がちょっとなんですか、気持ち悪い。早く帰ってください」
骸さんが俺の後ろに隠れるも、バーズがしつこい。
困った事になったなあと思ったら……

「お前はあの時の、妖艶な娘…!」

何かヴァリアーの幹部いるんだよ!
確かあれは、レヴィ・ア・タンとか言う人!
何でここにいるのかも気になったけど、あいつクローム見てはぁはぁしてんの!
流石にこの状況はまずくね?って思ったら骸さんが、ヴァリアーの方に近づいてって(乙女走りで)「助けてくださいっ、あのおじさんが、しつこいんですっ」とか上目遣いでヴァリアーの人の服のすそをぎゅっとかしちゃってさー。
あの人、演技するの好きなんだよね。真面目な生徒会長たぶらかす為にドMなひ弱少年気どったり、ハンバーグ大好きな幼児になってママンに甘えてみたり、今は女の子になって年上の男をたぶらかす。
もしかしてあの人、変態なんじゃないだろうか。

今更だな。

と、まあ。そんな感じで骸さんがヴァリアーの人を煽った訳。
面白いくらい簡単に引っかかって、その人とバーズの乱闘が始まった。
でもバーズは単体じゃ弱いからさ。速攻逃げたの。で、幹部が追う。
そんな感じであっという間に二人がいなくなった。

「さて、帰りましょうか」

眩しいくらいの冷笑を浮かべて骸さんが言ったのを見て思ったよ。
一生この人に付いていこうってね!
なんでそう思ったんだろうな。
自分の事ながら訳分からんわ。

とりあえず帰ってから食べたチョコは美味しかった。
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