*先に虫虫を見ておくと良いかも。

    「あ、骸さん」
    「おや、沢田ソラじゃないですか。その嫌そうな顔をなんとかしてください。君は会う度に失礼になってきますね」
    「というか骸さん。何でスーパーにいるんです?」
    「実はゴキブリが出てクロームが気絶してしまいまして」
    「それ前にも聞きました」
    「犬と千種も気絶してしまいまして」
    「それも前に聞きました」
    「MMはこんな汚い場所にいられないから実家に帰ると出ていきました」
    「それは新展開ですね」

    「あっ、ソラさん! ちはっす! って六道骸じゃねぇか! ソラさんに何してんだテメェ!」
    「そろそろ来る頃だと思っていましたよ、獄寺隼人」
    「ああ? どういう意味だ」
    「ゴキブリが出ると決まって君達とこのスーパーで遭遇するんです」
    「じゃあスーパーに来なきゃ良いじゃないですか。っていうかいつも思ってたんですけど、ここ並盛のスーパーですよ。黒曜に住んでいるなら黒曜のスーパーに行ってください」
    「酷い人ですね。僕が何処で買い物しようと僕の勝手ではないですか。その権利すら奪おうと言うなんて、本当に業の深い女だ」
    「てんめーソラさんに偉そうな口叩いてんじゃねえ!」
    「おや、こちらこそマフィア風情にそんな口を聞かれる筋合いはないのですが」
    「ああっ!? やんのか!?」
    「落ち着いて、獄寺君」
    「しかしソラさん……」
    「言わせておけば良いよ。私はゴキブリ一匹で怖がって住んでる場所から逃げ出すような人に何を言われても気にしないから」
    「そうっすね」
    「そうっすね、じゃありません。沢田ソラ、そこまで言うのならゴキブリを駆除してください」
    「嫌ですよ、気持ち悪い」
    「貴方も嫌なんじゃないですか」
    「骸さんが住んでる家に上がるのはちょっと……」
    「そっちですか。本当に失礼な女だ」
    「テメェの日頃の行いが悪いんだろ」
    「酷い言いがかりですね。僕が何をしたと言うのですか」
    「私としては何もしてないと思ってる事にびっくりですよ」

    「……ふぅ。これ以上話していても時間の無駄のようだ。やめにしましょう」
    「そうですね」
    「行きましょう、ソラさん」
    「……待ちなさい」
    「自分からやめようと言ったのに、まだ何か用ですか、骸さん」
    「クフフ……僕の貴重な時間をお貸ししたのですから、それなりの対価を払って頂こうと思いまして」
    「……ちっ。下がっていてください、ソラさん。俺が方をつけます」
    「君は本当に野蛮なマフィアそのままですね、獄寺隼人。僕はこんなスーパーで暴れるつもりはありませんよ」
    「あ? じゃあ何だよ」
    「ゴキブリホイホイで手を打ちましょう」
    「また金が無ぇのかよ」
    「クロームと入れ替わったばかりで」
    「それ前にも聞きました」
    「財布くらい持ってくる余裕あんだろ」
    「何を言っているんだ、相手はゴキブリですよ? 一瞬の隙を許したらどんな事になるか……」
    「どんな事になるんだよ。たかがゴキブリだろーが」
    「……飛んできます」
    「それだけかよ。くだらねぇ」
    「何言ってるの大問題だよ、獄寺君」
    「えっ」
    「危機管理がまるでなってませんね、獄寺隼人」
    「骸さんの言う通りだよ、獄寺君。ゴキブリを軽んじては駄目だよ」
    「えっ、あっ、すいません、ソラさん……俺が間違っていました」
    「僕にも謝ってください」
    「うるせぇ、引っ込め」
    「骸さんは引っ込んでてください」
    「っつーかいい加減巣に帰れ」
    「酷い言われようだ」

    (2012.09.16)


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