「はい、クロームちゃん。これ、貰って」
「……おべんとう?」
「良かったら皆で食べてね。お菓子ばっかりじゃ栄養とれないよ」
「……ソラ、ありがとう」
「気にしないで。何かあったら遠慮なく言ってね」
「クフフフフフ……」
「げっ」
「げっとは何ですか、げっとは。本当しつけのなっていない子供ですね、沢田ソラ」
「何で出てくるんですか。骸さんには用はありません。クロームちゃんに体を返してください。大体私は貴方と同い年です。子供とか言わないでください」
「酷い言い種ですね。君が僕の可愛いクロームに親切にしてくださったから、嫌々ながらもお礼を言いに出てきてやったというのに」
「お礼を言う気ありませんよね」
「はい」
「早く引っ込んでください」
かぱ
「あっ、ちょっと開けないでよ。クロームちゃんのお弁当なんだから」
「君の手作りですか?」
「ええまあ」
「今度からタコさんウインナーを入れておいてください。あれがないとお弁当とは言えない」
「はよ引っ込め」
(2011.05.13)