「おや、沢田ソラじゃないですか」
「うわあ……六道骸」
「随分なご挨拶ですね」
「なんでいるんですか、クロームちゃんはどうしたんです」
「ゴキブリが出てきて気を失ってしまいまして」
「代わりに出てきたんですね。でも何でスーパーにいるんです」
「犬も千種もいなくて……」
「ゴキブリが怖くて逃げて来たんですか、だらしのない」
「だったら君がなんとかしてくださいよ」
「いやですよ。ゴキブリ怖いもん」
「あっ、ソラさん!こんにち……って何でテメェがいやがんだ、骸!ソラさんから離れろ!」
「獄寺君!」
「心底安心した顔をするのはお止めなさい。僕が君に一寸の好意がなくとも傷つきます」
「そういう貴方も一言多いです」
「骸テメェ、ソラさんに何て口きいてやがんだ!果てろ!」
「ふん、マフィア風情が。僕に挑むとは良い度胸です。返り討ちにしてあげますよ」
「二人ともスーパーで暴れないでね」
「あ、すいません」
「……ふう。仕方ない。獄寺隼人」
「ああ?」
「今回は特別に、ゴキブリを退治してくれたら許してあげましょう」
「何言ってんだ。別に許しを乞うつもりはねえよ」
「スーパーで暴れますよ」
「何ですか、その脅し文句は。バルサンでも焚いとけば良いじゃないですか」
「分かりました。買ってください」
「ふざけんな、自分で買え」
「クロームと交代したばかりで一円足りとも持っていません」
「威張らないでください」
(2011.05.14)