▼1.再会
彼女は、いったい何者なのだろう
その疑問を紐解くためには、もう一度彼女に接近するしかない
「ジャン!」
「ついてきちゃダメだって言っただろう」
厳しい口調でそう言うと、エマはぷくっと頬を膨らました。
「どうして、わたしがついてきてはダメなの?」
「危ないだろ。さっきみたいな事があったら…」
「それじゃあ、ジャンも一人じゃ危ないわ」
それ以上の反論を遮るように、強引に僕の腕を絡め取る。
「あなたを放っておけないから、この島まで来たのよ」
「………」
日常のわずらわしい事から解放されたくて、誰もいないはずのこの島を選んだのに……何故か、そこには先回りしていたエマがいた。
大方、僕のお目付役の”アブ”ジィがチクったに違いない
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