▼1.再会


「だって、わたしはあなたの婚約者なのよ」

自信たっぷりに、エマはそう言う。


「僕は承諾してない」
「あなたの意見なんて関係ないのよ」
「…………」

さりげなく、とても恐ろしいことを言われた。

「婚約を破棄したければ、早くあなたがお父さまの跡を継ぐことね」
「………」

そう言われてしまっては、返す言葉に窮する。


僕はメディチ家の三男だ
相続順位的に、次に跡を継ぐのが長男、次に次男……果たして、僕にまわってくる頃には、相続するものなんて残っているのだろうか

まあ、簡潔に言ってしまえば、僕が父の跡を継ぐなんて可能性は限りなくゼロに近い


更に要約すると、家同士が決めた婚約者であるこのエマとも、なかなか簡単に縁が切れそうにない。









>>next

prev<<


top◎






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -