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まだ、覚えてる。

「ヨハン!」

純粋で、綺麗なあの笑顔。
俺の名前を、その通る声で何度も何度も呼んで。
呼んで。

いつから、だっけ。
俺はいつから彼に異常なほど固執するようになったのか。
分からない。
いつから彼に――――この憎しみにも似たぐるぐるまわる感情を持つようになったのか。
分からない。

「ヨハン」
「十代、どうかしたのか?」
俺は十代に笑みを向ける。
この勘の鋭い親友に、この感情が悟られないように。
「デュエルしよーぜ!」
「ああ、もちろんさ!ここ最近お前に負けてるからな、今度こそ勝たせてもらうぜ!」
じゃあ、また後でなー!と言って走り去った後ろ姿にふと違和感を覚える。
「あれ、おっかしいなぁ」

このやりとり、前にもやらなかったっけ?


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bkm


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