02
何かがおかしい。
ふと湧いた疑問はむくむくと膨れあがっていった。
会話、デュエルの展開、十代の行動。
ほぼ全てになにかしらのデジャヴを感じる。
そしてふとした時、十代は老成した表情を見せるのだ。
知らない。
俺はこんな全てを悟っているような彼を知らないはずなのに。
「おい何考え事してんだよ、デュエル中だろー?テンペスターでコバルト・イーグルにこーげき」
「あっ、虹の引力発動な。レインボー・ドラゴンを特殊召喚」
「あー!!くっそやられた!」
また既視感。
まるで誰かの手のひらで踊らされているような気がする。
「ヨーハン」
十代は笑った。
「まだまだこれから、だぜ」
それは何に対しての言葉か。
まさか、それは。
「デュエルはまだ終わっちゃいない!」
「・・・そうだな」
そんなわけないか。
まぁそんな些細な事をいちいち気にしてたって仕方ないよな。
「今回は勝たせてもらうからな!」
俺はモヤモヤした感情を、押し込めたんだ。


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bkm


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