風丸と緑川

2012/08/14 23:53

*高校パロディ


「風丸ー!見て見て!雪!雪!」
「見てるから押し付けるな、冷たい」

高校生にもなって緑川は一年振りの雪に大はしゃぎだ。いや、高校生だからこそか。俺は顔面に雪を押し付けられたので、お返しに緑川のうなじに雪を擦り付けてやった。「ぎゃー!」と断末魔のような叫び声を上げる緑川を横目にさっさと学校の中へと避難する。
傘をさしたのだがコートやズボンは雪だらけだ。かじかんだ手で雪を払う。わずかに冷たさを指先から感じ取った。

俺は緑川に早く行くぞと急かすと、意外にもあっさり上履きを履き始める。もう少しぐずると思ったけど。だが教室に着くなり窓に走り寄る。

「黄昏るイケメン」
「自分で言ってどうするんだよ」

俺は緑川の後頭部にチョップをかました。まあはしゃぎたくなるのもわかる。関東は中々降らず、銀世界が見れる北海道を少し羨ましく思っていた。まあ雪かきとか大変そうだから、きっと北海道民に言ったら怒りそうだけど。

「ねえねえ風丸!お昼休み雪合戦しようよ!…って寒いから嫌かな?」
「いいぜ。やるか」
「えっほんと!?いいの!?」
「そのかわりとことん当ててやるからな」
「えええ…あっ、じゃあサッカー部のみんなも誘おうよ!」

そう言って緑川は俺の手をひいて勧誘しに行く。相変わらずというか、いつにもまして子供っぽいけど、それは俺も同じだな。だってこんなにわくわくしてる。





<< >>
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -