一緒にいようよ



今日はせっかくの休日だというのに朝から叔父さんの機嫌がよろしくない
いや、行動や言動は普段と変わらないのであくまでなんとなく、なのだが。
そんな叔父さんになんだか自然と構えてしまう。なんだ、なんかしてしまっただろうか


「名前」

「はひっ」

はひってなんだ俺

「今日は何も予定はないの?」

「あ、はい。今日は何も…家で掃除とか溜まった洗濯物をどうにかしようかなって…」

「そう」


言いながらリビングのソファから立ち上がるおっさん
休日はソファから動かず、俺をあごで使ってお茶をしているのがこの人だ。
だから、ソファから立っただけでも内心おおっと思ってしまう。今日は動くのか


「え、ちょっと」

「……………。」


立ったと思ったら腕をひかれ叔父さんの寝室の方へと誘導される。なんなんだ?
久々に入った叔父さんの寝室は相変わらず物が少なく全体的に黒い。小学生の時はたまに叔父さんと寝たりしていたが…今思い出すと少し恥ずかしい
昔はもっとマシ…というか良い叔父さんだったのに…何故こうなったのか。いや、今がありのままの叔父さんなのか。


「何なんですか」

「うん」


そのまま後ろから抱きしめられた
いつものことなので叔父さんの手を外しにかかる


「て、おい」


外れない。


「ちょっと…俺まだ掃除とかあるんおわっ!?ぶ…ッ!!」


ベッドに顔面ダイブ
背中には相変わらず叔父さんが引っ付いている
いつもではあり得ないくらい様子のおかしいおっさんに溜め息を一つ。より腕の力が増した気がする。すがりつかんばかりだ。


「………どうかしたんですか」

「…この日は夢見が悪いんだ。いつも、いつも…」

「え………」


そんなの全然知らなかった


「今日はずっと一緒にいて。ゴロゴロしてよういいでしょ?」

「…貴方はいつもゴロゴロしてるでしょう」


皮肉を言いつつも提案を否定してないことには気づいてくれたらしい。


「そうだね。ホント、名前が家に来てくれて良かった」

「………………。」


嬉しいのにどこか切ない。俺は本当にこの叔父さんに助けられてばかりなのに。俺は彼に何か出来ているだろうか
シーツに顔を押しつけると叔父さんの匂いと煙草の臭いがした


(名前、名前呼んで)
(………昆奈門さん)
(ふふふ場所がベッドだと卑猥にきry
(お休みなさーい)


+++
影があるけど飄々としているお茶目な雑渡さんが大好きさ!遅れまくったくせにな!
3/10を雑渡さんの生まれた日と仮定したお話です。お祝いなのになんか微みry



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