チョコよりも甘い
※恋人設定
ひょんなことから学園のマドンナと付き合うことになった俺、名前。 最初は数えきれないくらいの妨害を受け、俺に至ってはいさっくんを好きなちょっとヤバめな男子に殺されかけるなんて事態も起きた。 今ではそんなことも落ち着き愛するいさっくんとラブラブな学園生活を謳歌し……てなかったりする。 なかなかお互いの時間が合わなかったりいさっくんの不運が重なったりで、あまり恋人らしいことをしていない。先日、文次郎に「別れたのか…?」と本当に心配している声のトーンで言われた時にはなんか申し訳なかった。
気づいたらもうバレンタインで。 今年は逆チョコなんて流行ってしまったもんだからいさっくんに会いに行ってもなかなか近づけない。彼氏なんだし引っ張ってくればいいじゃん、とも思うのだが"皆のもの"に手を出してしまったという謎の罪悪感が俺にはある。
教室の窓際にいたいさっくんと目が合う。あぁ今日も可愛い
「!」
いさっくんの隣に凄いイケメンがいた いい気がするわけがない 教室のドア付近にいた俺はこちらに来ようとしていたいさっくんに手を降りすぐに3組を後にする。 手に持っていた箱がぐしゃ、と音をたてた。
+++
「俺って小さい…」
放課後の保健室。 いさっくんに呼ばれた俺は一人落ち込んでいた。いさっくんは来た時にはいなく、先生に呼ばれているかトイペの補充に行ってるいるのだろうと予想をつける。 勝手に一番奥のベッドを占領して膝を抱えていた。 いさっくんの隣にいたイケメンを思い出す。絵になってたよな、なんて考えて自分の思考に苛ついた。何よりあんなのを見ただけで苛々している自分に一番苛つく。 器の大きい男になりたい、と強く思った。
「名前君」
振り返るとちょうどカーテンを閉めきっているいさっくんがいた。思わず目をそらす。
「やほーいさっくん。お疲れ様」
「今日は大変だったよね。男は特にソワソワしちゃってさぁそういえばクラスの奴がさ」
いつも通りにしよう いさっくんに小さい男だと思われるのは嫌だ。そう思うのに、なかなかいさっくんの目を見れずにいた。口だけが内容のないことをペラペラ話す。
「名前君!」
腕を引かれベッドに押し倒された 強い口調で呼ばれいさっくんを見る 泣きそうな、今にも何かが崩れてしまいそうな顔をしたいさっくんがいた
「…嫌いになった?」
「………え?」
「だって名前君が助けてくれなかった。いつもは自分が怖くてもとび込んできてくれるのに。進歩しない僕に呆れた?疲れちゃった?」
「ちょっと待って。さっきの人達はいさっくんに好意があって」
「僕は名前君以外の男子に興味なんて蟻一匹ほどにもないもの」
場違いながらもいさっくん信者な男達に同情した
「…………嫉妬してた」
「え…?」
自分の顔を見られないようにいさっくんを抱きしめる。うわっと声が聞こえた。胸に鼻をぶつけたらしい
「いさっくんは可愛くて人気者だから俺なんか一緒にいていいのかな、て一人でいじけてました!格好悪いでしょ」
「嫉妬………」
呟いたかと思ったらグッと顔を近づけてきた。え、近い近い
「僕、名前君が大好きだよ。一緒にいたい」
「うん俺も好き。一緒にいたいな」
照れくさくて笑ったらいさっくんも笑った。やっぱりいさっくんは笑顔が一番である
「じゃあ、はいこれチョコレート!」
用意していた一個をいさっくんに渡す 少し角が凹んでるのはご愛嬌
「うわぁ!有り難う!!僕もっ……て朝溝に落としちゃったんだった…」
がっくりと項垂れゴメンネ、と言ういさっくん。うんなんとなく予想してたから大丈夫だよ!
「あははいいよ。一緒に食べよ?」
「あ……」
「ん?」
いさっくんが何か思いついたかと思うとチラチラと恥ずかしそうにこちらを見てきた。 とりあえずベッドに座ろうとしたらまた押し倒された
「いさっくん?」
「チョコレートはね、有史以来媚薬の代表なんだよ。チョコレートに多く含まれてる成分が脳に快感を」
「いやいやいさっくん急にどうした」
ガサガサと少し乱暴に包装を剥がして俺手作りのトリュフチョコを一つ食べるいさっくん いや、食べるならせめて退いてからにしてく
「ん……んぐ」
口の中に甘い味が広がる。 あぁ、上手に出来てて良かったなんて考える余裕は入ってきたいさっくんの舌によって直ぐに奪われる。 溶けたチョコなんだか唾液なんだか分からないものを飲み込むといさっくんの口は離れていった。 いさっくんの口の端にもチョコなんだか唾液なんだか分からないものがたれている。
「ちょ、チョコの代わりに僕じゃダメ…?なーんてうわっ」
チョコレートに媚薬効果があるのは本当らしい、なんてどこか客観的な自分が思ったが俺は直ぐに目の前の人に集中するのだった。
*** 色々考えましたがちゅーしかしてないしセーフかな、と。 エロなんて書けません
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