ハロウィンパーティーをしよう!1



お早う今日は今晩は!名前でっす
今日はハロウィーンということで一日カボチャ頭です。雑渡さんに作ってもらったので無駄に完成度高いです。その代わりというか衣装は自前なので制服だけという…あ、ランタンは持ってるよ!提灯だけどね!

そもそも何故日本ではあまり浸透していないハロウィンに仮装までしてるかというと、帰国子女の斉藤に小平太が外国でのハロウィンの様子を聞いて興味を持ち、その様子を面白がった仙ちゃんが「じゃあハロウィンパーティーでもするか、名前の家で。」と本人の了解もなく発案あんど可決して今に至ります。お蔭で男二人でパーティー料理をせっせと作る事態に。


「私も陣内に呼ばれてなかったらミイラ男として参加するのに残念だねぇ」

「自虐ですか?普段と全く同じじゃないですか」

「でも流石に野暮かなぁ?保護者が一人参加なんて」

「……帰ってきたら二人で作った料理とお菓子食べましょう。待ってますから」

「おや、お菓子を貰ったら悪戯が出来ないね」

「さっさと出かけて下さい」


行ってきます、と同時にカボチャ頭にリップ音。
…しっかり悪戯していったよあのおっさん


+++++


暫くすると可愛らしい一団がやってきた。


「わぁ…皆凄いね!」


天使な滝に妖精の三木、お姫様ドレスの綾部に魔女の斉藤…


「童話チックだね…何の童話かわかんないけど」

「決める時に揉めたんだよねー」

「主に滝ちゃんと三木ヱ門が、ですけど」

うん、なんとなく想像つくよ!

「名前先輩どうですか私の天使姿は!本物かと思うほど美しいでしょう!!」

「煩いぞ滝夜叉丸!馬子にも衣装ではないか!!名前先輩に気を使わせるな!それより先輩、どうですこの妖精姿!似合「お前こそ馬子にも衣装ではないか三木ヱ門!だいたい…」

「うん、二人共すっごく似合ってて可愛いから!それより寒いから中に入って!ここまだ玄関だからね!!」


少し間があって二人同時に「お邪魔します…」という挨拶と共にやっと中に入ることが出来た。

「「…あ、」」

「ん?何かな」

「「trick or treatです名前先輩!!」」

「えっ…あぁリビングに色々作ったのが、」

チュッ―

「「…ごちそうさまです」」


カボチャ頭をずらされて両頬に柔らかいものを押しつけられた…えっと、


「おい三木ヱ門私の真似をするな!」

「滝夜叉丸がしたんだろ!」

「あぁもう!ケンカしないで!!」


+++++


リビングの一角に陣取り、一人黙々と料理を食べる綾部。


「…綾部、いっぱい食べてくれるのは嬉しいんだけどさ。その…」

「何ですか?」


両手にチキンを持ってワイルドに食べるお姫様はどうかと思います、なんて言っていいものか…
とりあえず食べかすが服に落ちないように膝にハンカチを乗せた。


「あぁ…悪戯ですか?」

「うん、違うからね」

「悪戯、してもいいですよ。頭撫でて下さい」


それは悪戯とは言わないんじゃ…と思いつつ、綾部の綺麗にセットされた髪を崩さないように頭を撫でた。
撫でてる間ずっと綾部は食べていた。


+++++


「何してんだ斉…タカ丸、台所で。何か要る物とかあったか?」

「ううんそうじゃなくてー父さんがシャンパン持ってけ、てくれたから開けてたとこだよー」

「シャンパン!?いや…気を遣わせて悪いな」

「パーティーだから気にしないで!それに心配しなくてもノンアルコールだよー?」

「その辺は当たり前だろ…学生だし、綾部達に飲ませるわけにはいかない」

「俺ならいいの?」


喋りながら何故か追い詰められる俺。気付いたら後ろは冷蔵庫で前には斉藤。動揺して目が泳ぐ俺に斉藤は妖艶に笑いかけ、首にするりと手を回し身体を密着させてくる。黒いタイトドレスのザックリ開いた胸元と深く入ったスリットから覗く脚に思わず目がいった。落ち着け、俺。相手は計算済みだ乗せられるな!


「俺なら酔い潰させて…悪戯とかしちゃう?」

「…そーいう意味じゃないし、どうもお前はザルっぽいんだが」

「あはっわかるー?」


さっきまでの空気はなんだったのかというほど斉藤は呆気なく引いた。何なんだこいつホントにもうわけわからん


「うーんやっぱりカボチャ頭じゃ雰囲気でないよねーシーツお化けなら二人でシーツ被ってイチャイチャ出来るし、狼男ならそれこそ本当の狼さんに変身してもらえるように色々頑張るのにー」

「ナイスチョイス!!俺!」


思わずガッツポーズが出た。
カボチャ頭のお蔭で助かったらしい。目の前でぶーたれる斉藤の数分前を思い出す。
ある意味こいつも魔女で正解だったな。







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