6月の花嫁




「ジューンブライドかぁ」


ガタッ! ガタガタ


6月のとある日の昼食時。
誰かが持ってきていた雑誌を読んでいた名前の呟きにその場に居た者達は面白いくらい反応した。


「おい!なんで名前結婚情報紙なんて読んでるんだ!?てか持ってきたの誰だよ!!?」

「おおお俺じゃねぇぞ!!?」

「さっき…久々知が、名前のそばに置いていった……」

「久々知か。本気具合が気持ち悪いな」

「せ、仙蔵そんなはっきり言わなくても…それよりさっきから小平太が一言も喋ら」

「名前」

「あ、小平太ーやっぱり女の子はジューンブライドとか憧れるもん?」

「! 私は別にいつでも構わないぞ!」

「ふーんあんまり気にしないんだ?長次は?」

「……日本は梅雨時だからな」

「あー確かに。じめじめしてるからドレスとか着物は大変なのかなぁ」

「名前君はウェディングドレスと白無垢どっちが好き?」

「いさっくんならどっちもきっと似合「私はどうだ?名前?」

「……仙ちゃんは白無垢がいいんじゃないかな」

「ふっまぁお前の要望に答えてやらんこともない」

「(…角隠し的な意味で、なんてとても言えないなぁ)留ちゃんは逆に断然ドレスだよね!しかもミニスカタイプ!!その美脚は出していくべきだよ!!」

「お、おぉ。動きやすくていいしな」

「いやいや動き回っちゃダメでしょ…長次もドレスかなぁ背が高いからこの雑誌にあるマーメイドラインとかスラッとしてて似合うだろうねー」

「……………。」

ニコニコ笑って雑誌のとあるページを開いて指差す名前に長次は苦笑した。

「名前!名前!!私は!!?」

「んー小平太もドレスかなぁ…うん、元気いっぱいな花嫁さんでとっても可愛くていいんじゃない?」

「えへへー」

「…………………。」

「文次郎は白無垢一択だよね」

「!! ……は?」

「だって清楚で綺麗だしおしとやかだし、まさに大和撫子だよねー白無垢でしょー」

「っ…名前、が望むなら俺は「誰もそんなこと言ってねぇよ」


恥じらいながら呟く文次郎にかみつく留三郎


「で、結局何を読んでたの?」

「あぁ結婚式費用のだいたいの予想額みたいなの?いくらくらいするのかなーって。やっぱり男としてその辺ちゃんと計画して貯めておかなきゃと思ってさ」


照れ笑いで伊作の質問に答える名前は意外に現実的だった。


***

三人称に挑戦してみましたが面白くなりませんでした。難しい…
五年生ver.とかもいつか書きたい



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