=Calling=
着信:留ちゃん

「もしもし?」

『おう、俺だ。今大丈夫か?』

「ちょうど洗濯物をたたみ終わったとこだから大丈夫だよー」

『…相変わらず主夫してんな』

「褒め言葉として受け取っておくよ」

『本題なんだが明日空いてるか?』

「特になにもないよ、どした?」

『暇なんだろ会わないか?』

「いいけど…珍しいねぇ留ちゃんが俺を誘うなんて」

『昔はよくお前がうちに来てたからな』

「あははは懐かしい」

『そうだな、家に来いよ。伊作も呼ぶから』

「………何かあるでしょ?」

『何もねーよ…あ、母さんが来るなら夕飯食ってけって』

「俺、留ちゃんのお母さんと結婚したい」

『親父に言っとくよ』

「ちょぉぉおおお!!!やめてっ洒落にならん!殴られるじゃすまないよ!!」

『お前はもうちょっと鍛えろよ』

「精神をですか肉体をですか」

『両方だ』

「……そういえば留ちゃん?」

『なんだ?』

「この間の屋上の告白の件はどー『じゃあ昼頃俺ン家来いよ!場所はわかるな!?明日また会おうおやすみ!!』


ブツッ ツーツー…


「つい、意地悪をしてしまった…」

「ふーん名前は好きな子苛めちゃうタイプ?」

「!! ビックリした…背後に立たないで下さい」

「女の子には優しくしなきゃダメだよ」

「あぁ、はい……」

「名前ーお茶ー」

「すぐ入れますっ」

「さっきの子、彼女?」

「いいえ違いますよ。小学校が一緒だった留ちゃんです」

「あぁあの子か…ふーん不憫にねぇ…」

「? 明日、夕飯およばれしてくるんですけど夕飯、どうしましょうか?作っときます?」

「いや、自分でどうにかするさ。楽しんでおいで」

「…はいッ!」

「……あー可愛い。名前が女の子だったら私と結婚させるのにね」

「抱き着かないで下さい。叔父さんと姪は結婚出来ませんよ」

「血の繋がり的には問題ないから大丈夫だよ」

「……でも俺、男ですから」

「つれないねぇ」

「(今の会話でつれてる方が問題あるだろ…)」

「名前」

「はい」

「女の子のお家に行くんだよね」

「はい」

「頑張ってね」

「はっ叩きますよ」


(しないくせに)
(しませんけども!)