土に埋まる御方は
「綺麗な桜の木の下には死体が埋まっているらしい」
「……そうなの?」
「あぁ。死体の血で、桜は花弁を鮮やかな色に染めるらしい」
「へぇ…」
ザァッと一際強く風が吹いた 三郎と名前の前髪や後れ毛が風に揺られて踊るように動く
「綺麗な人なんだろうね」
「は?」
「死体。ん?死体なんだから綺麗な人だったんだろうね、かな?」
だって自身が死んでも綺麗な桜を咲かせるんでしょ?きっと身も心も美しい人だったんだろうね、と名前は言う。
「…どうだろうな?血が鮮やかに染めるならより血を浴びた人間じゃないか?殺人鬼とか、」
案外、同胞だったりして。
「三郎は夢がないなー」
「例え名前の言う通りだったとしても今はただの骨だろうからな。興味ない」
「あぁーそれもそうかー」
・
・
・
「調べてみようじゃないか」
「は?」
「三郎と私、どちらの説があっているか」
「………おい、」
「私が死んだら桜の木の下に埋めておくれ」
にこやかに笑う名前
「……お前を埋めても答えは出ない」
「そうかい?なかなかに血を浴びてきたと思うのだけれど、」
「あぁ。お前は血を浴びてきているし身も心も美しいからな」
間。
「……………おやおやおやおや」
「………なんだ、言いたいことがあるならさっさと言え」
「可愛らしい友人だと思ってね」
「……………。」
「うん、そっか。だったらなおのこと、」
私が死んでも君が寂しくないように綺麗な花を咲かせないとね。
(……お前の木にはさぞや沢山の害虫が羽休みするんだろうな) (えぇー?酷いなー)
*** お邪魔虫が多い、とか変な虫をつけるとかいう意味合いで。 すいません駄洒落です石投げないでっ!
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