「ルーカー」
「………」
「ルカってば!いい加減にしなさいよね?」
「だって、お嬢様が…」
「私が何したっていうの?」
「うぅ…デビトが好きだって言うからぁー!」
「、はぁ!?」

いい年して大人げもなくわんわん泣き出すルカ。
私はその理由を聞き大げさにため息をついて呆れた。
未だに私に背を向けたまま体育座りで床に座り込むルカ。
私はその背後にしゃがみ込み、強引にルカの肩を引く。
突然でバランスを崩したルカをぎゅっと抱きしめれば、ルカはその行動に驚いて肩をびくりと揺らした。

「お、お嬢様!?」
「馬鹿だねールカは。ホント馬鹿」
「なっ、馬鹿ってなんですか!」

体制を崩して私に抱きしめられたままのルカは不服そうに口を尖らせる。
年齢より幼く見えるその仕草が可愛らしくて、私は思わずルカの頬にちゅ、とキスを1つ。
これまた肩を揺らしたルカの首に回していた腕に力を込める。

「馬鹿だね。デビトは好きだけどパーチェもノヴァもリベルタもジョーリィもダンテも好きだよ。もちろんパーパもマンマも」
「でもね…ルカは誰よりも大好きなの。他の誰とも違う“好き”だよ」

そう言えば、ルカの耳が赤く染まっていくのがわかった。
抱きしめていた腕を解いてルカの前へ移動すれば、真っ赤になった顔を手で隠していた。
やっぱり、可愛い。

「大好きだから、機嫌直してよ」

その言葉に反応してゆっくりと自分の顔から手を退かすルカ。
未だ赤みのひかない頬のまま、私の大好きな緩みきった笑顔を浮かべた。
つられて私も笑い、今度は正面からルカを抱きしめた。





拗ねる
(ご機嫌取りは)
(君にだけの合言葉)







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