「お嬢さん、そこのお嬢さん」
「…?なんですか?」
「ああ、とても綺麗な髪だったからつい声をかけてしまってね」
「はぁ…ありがとうございます?(なんか変な人)」
「髪についてるそのアクセサリーもとても可愛いね、お嬢さんのセンスの良さが滲み出ているようだ」
「…そうですか(誰、この人)」
「声も澄んでいてとても美しいんだね。オレはお嬢さんの声がとても好きだ」
「…そうですか(この人いろいろと大丈夫かな)」
「ああ!もうこれは運命の出会いとしか呼べないんじゃないだろうか?」
「…そうかもしれないですね(こんなオカシイ人に会うのなんか人生でそうないだろうし)」
「っ!君もそう思ってくれるかい!?」
「へ?あ、あぁ…そうなんじゃないですか?(やっべ、テンション上げちゃったみたいじゃん私の馬鹿!)」
「この運命の出会いを逃す手はない!そうだろう!?」
「っ、さぁ?どうでしょう…(うっわ腕掴むなよ!)」
「せっかくの出会いなんだ、そこのカフェでお茶でもどうかな?」
「え、いや、お断りします(新手のナンパかよ!めんどくせっ)」
「遠慮することはないよ、もちろんオレが奢るから好きなものを頼んでもらって構わない」
「別にいいです(いい加減腕放せよナンパ野郎!)」
「あぁ、照れてしまっているのか…照れているお嬢さんもすごく魅力的だよ」
「っ、はぁ!?(やっべ、鳥肌立った。気持ち悪っ)」
「そう照れることはないよ、オレだって緊張しているんだ。気にすることはないさ」
「照れてないですからっ(妄想乙!)」
「ツンデレさんなのかな、そんなところも可愛いね」
「だから、」
「さぁ、ゆっくりお茶でも飲んでお話しよう!」
「引っ張んなっ、(人の話聞けよ!)」
「荷物、オレが持ちますよ」
「っ、いい加減にしろ!このくそ変態ナンパ野郎!!妄想は他所でやれや!」

「あ!森山センパイ、やっと見つけた!」
「え…あぁ、黄瀬か」
「東京で何やってんスか!あの、迷惑かけちゃってすいませんっス、ってもういない!」
「邪魔をするな黄瀬。やっと運命の出会いを果たしたというのに、お嬢さんが逃げてしまったじゃないか」
「多分森山センパイは通報されててもおかしくなかったと思うっス」
「まさか、彼女もオレとの運命の出会いを信じてくれたよ」
「あの暴言を聞いてそう思えるセンパイのこと、俺は(ある意味で)尊敬するっス」
「オレはきっと彼女とまた会ってみせる!」
「次会ったら絶対ストーカー扱いですって!」


昼間っからやべぇ変態に遭遇しちまった。
多分、あの金髪が来なかったら公衆の面前で急所に蹴り入れてたわ。
耐えた私まじすごい。
今日の出来事は記憶から消そう、そうしよう。




出会う
(次に会った時、)
(容赦なくエルボーをかましたのは)
(云うまでもない)









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