あたしはその関係を、疑うことをしなかった。

生まれた時から側にいて、どこへ行くにも一緒だった。
大輝がバスケを始めればあたしもくっついて始めたし、高校もどちらからともなく一緒のところを選んだし、登下校だって一緒。
だからあたしは、どれだけ時が流れようとも、この二人の関係が変わることなんかないのだと、信じきっていたんだ。
だけど、そんなのとんだ勘違いで、あたしの思い上がりでしかなかった。
幼馴染みは所詮ただの幼馴染み、一番近い存在ではあるかもしれないけれど、きっと大切な存在ではない。
それ以上でもそれ以下でもない。
まるで家族と言っても違和感がないような、そんなもの。
あたしは、どうして気付かなかったんだろう。

「…え…?」
「聞こえてんだろ?」
「聞こえてる、けど…」
「まぁそういうわけだから、今日から俺一緒に行けねぇから」
「あ、ちょ、大輝!」

お互い高校生にもなれば、好きな人や恋人の一人や二人、いくらでもできるってことに。
大輝に、あたしより大切な人ができるかもしれないってことに。
いつまでも側にいてくれるわけじゃないってことに。
失って初めて痛んだ胸に。
どうして気付かなかったの?

去っていく後ろ姿を見て、やっとそんな単純なことに気が付いたあたしは、ばかだ。





自惚れる
(あたしの思い上がりでしかなかった)



2012.12.27





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