「俺さ、ルイのこと…好きなんだよね」

中学からの友達である高尾くんにそう告げられたのは、3日ほど前のこと。
ずっと友達としてしか見えてなかったから、口から出たのは時間がほしいというものだった。
クラスも同じで、お昼ごはんまで一緒に食べている間柄なのに、今まで男として考えたことはなかったから、脳内は混乱していた。


「…俺はお前が好きなのだよ」

その混乱に追い討ちをかけたのは、こちらも同じく親友だと思っていた緑間くんで。
高尾くんと3人でいつも一緒にいたから、緑間くんのことも男として考えたことはなかった。

2人とも大切な親友で、いつもくだらないことで笑い合うのがとても楽しかった。
その時間が、大好きだった。
いつまでもこのままでいられたら、と思ったこともある。
時間が過ぎなければいいのに、と考えこともある。
それぐらい2人といるのが大好きなのに、その2人に想いを告げられるなんて、夢にも思わなかった。
だけど、2人とも真剣な表情で私に告げてくれた。
私にはそれがどんな返事であろうと、その気持ちに答えを出す義務がある。
選ばなくてはな らない。…もし、どちらかの想いに応えたら、もう“今まで通り”の関係ではいられない?
脳内をそんな考えが過ぎった。
その途端、急に恐くなった。
どちらも大切なのに、どちらかを選ばなければいけない。
でも選べば、“今まで通り”にはもう戻れない。
想いを知ってしまったら、きっと3人では過ごせない。

中学の頃から人見知りで、クラスに馴染めなかった私を人懐こい笑顔で輪の中に連れ込んでくれた、高尾くん。
マネージャーなのに失敗ばかりする私に、呆れながらもさりげなくフォローを入れてくれた、緑間くん。

どちらも私にとっては唯一の存在で、同じくらい大事で大好き。
片方を選んだら、もう片方は手離さなければならない気がして、私は膝を抱えた。

「そんなこと、出来ないよ…」






悩む
(答えは出ない)



2012.12.18





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