「おいおい、ドルダム。」
「なんだい、ドルディー。」
森をバックに一件の赤と青の二色に半分ずつ塗られた三角屋根意外はこれといった特徴の無い煉瓦造りの家。そこの住人である双子の少年が「あるものに」大変興味を持った。そこには、気を失って倒れているアリスとシュトーレンの姿があった。

「ドルダムはこれがなにかわかるかい?」
ドルダムと呼ばれた少年は玄関から階段を降りる。赤いメッシュの入った白い髪に右目を隠していた。ベレー帽を被り、セーラーがモチーフの、全体的に赤と白を基調とした服に黒いベストを上に着ている。覗いた目は碧眼だ。
「ドルディーがわからないことを、僕がわかるわけないじゃないか。」
ドルディーはドルダムとは対称的に青と白を基調とした同じ服に同じ髪型。左目を隠し右目は緋色だった。
「ただしひとつ言えるなら、女の子ともう一人は兎と人間のハーフだね。」
とドルディー。
「それは驚いた。しかしこれはハーフではなくミックスだろう。動物と人間の間に子供なんかできるわけない。」
続いてドルダム。二人はそれぞれの側に膝を抱えてしゃがみこみ、頬をつねってみたり耳を引っ張ってみたりした。
「でも人間も動物だよね。動物と動物の間だったら可能かもしれないね。その場合、どっちが雄でどっちが雌だろう。」
ドルダムのさりげない疑問にすかさず返した。
「どっちだっていいよ。僕らにとっちゃあ人間も動物もみんなみんな同じ玩具なんだから。」
「それもそうだね。にしても動かないね。」

ドルディーの返事にうんと頷いたドルダムはすっと立ち上がってシュトーレンの脇腹をつま先で軽く蹴ってみるが全く微動だにしない。
「死んでたら手術ごっこできるのにね。カエルや魚ばっかり飽きたよ。」
手術ごっことは、所謂ただの解剖である。よいこの皆は絶対に真似をしてはいけない。
「魚はいいじゃん。後で美味しくいただけるし。まあ飽きたけどね。」
やるのにも味にも飽きてしまったものは仕方ない。ドルディーが足裏でシュトーレンの背中を踏んで左右に揺らした。一応、アリスが女性であることには配慮しているらしい。
「どーしようかなぁ。これ、ほったらかすには勿体無い。」
とドルダム。
「しかし動くのを待つなんてじれったい。」
続いてドルディー。数秒考えた結果、ひとつの結論にたどり着いた。

「「こいつらを拉致監禁しよう!」」
さすが双子の神秘性。きらきら輝いた笑顔で見合せ、きれいにハモった。
「ちょっと待って。拉致監禁ってまるで僕ら犯罪者みたいじゃないか。」
とドルダムは途端に真顔になる。
「そうだよね。捨ててある玩具、つまりゴミを拾って僕らのものにするんだ。」
とドルディー。
「むしろ道が綺麗になるからこれはボランティア活動の一環に入るよ。」
ドルダムもとんだ屁理屈を正論化した。異論を出すものもいない。二人は悪巧みを閃いた悪党のように、笑う。
「とりあえず動けないようにがんじがらめにしよう。ドルディー、薬はあるかい?」
「ああもちろん!ドルダム。でも壊しちゃダメだよ?使い物になら無い玩具なんか意味がないんだから…。」
ドルディーが一歩後ろに引いてしまった。今から二人を家に運ぼうと体が先に動いたのだ。



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