だがそれは持ち主によって左右されるものではないと思うのだが…アリスは不思議に感じた。しかも現在進行形ということは今その影響を受けている真っ最中となる。つまり…。
「この庭に咲く花はみんな人間の言葉を話せるみたいで、「その鍵を見せてほしい」と仰られたから…。見せたら!急に光って!!」
それを聞いたアリスはペンダントを凝視する。
「フィッソンさんの物よね…一体これは何なのかしら?」
話にいつの間にか置いていかれたシュトーレンは一人、人間の言葉を話している花がどんなものかを想像していた。
「…水が欲しいときは「喉が渇いた」って言うと思うか?アリス。」
どう返していいかわからないアリスは無視した。

その時だった。
「あそこです!あそこにいます!」
可愛らしい少女の声が近くから聞こえた。きっとアリス達がいる所を指している違いない。エヴェリンが素っ頓狂な悲鳴を上げながらアリスの後ろに隠れた。
「エリンさん?」
突然盾にされアリスは戸惑った。自分より身丈のある男が身を縮こまらせているのだ。変わった光景である。
「き…来ます!!」
とただただエヴェリンは近付いてくる誰かに対し物凄く怯えていた。向こうから人影がやってくる。


「人数が増えてるじゃないさ。鍵を持っていた坊やは…いない?」
「はっ、そんなはずは有りません!私はちゃんと見たのです!」
姿を露にしたのは二人の女性だった。一人は見た目が華やかで特徴的だ。赤い髪に所々黒い斑点が浮かんでおり、ミディアムぐらいあるものは外側にカールを巻いている。服や帽子もまるで鬼百合の花弁を模しているようだ。もう一人は露出の多い衣装から覗く褐色の肌に1つに束ねた青い長髪と深紅の瞳が映える。所々に青いバラで飾ってありこちらも隣の女性とはまた違う華かさを放っていた。

「見たと言われてもねえ…。」
褐色の女性がアリス達を一通り目で見渡した後隣の赤い髪の女性を軽く睨む。
「あの金髪の女の子の後ろにいるよ。ひっぱりだしな。」
「はっ!」
「まっ…待ってください!」
慌ててアリスが間に入り相手が行動に出ようとするのを止めた。
「貴女方は誰ですか?なぜ、その人を追っているの?」
その問いに二人は目をあわせ、赤い髪の女性は深いため息を、褐色の女性は屈託なく笑った。
「あっははは、こりゃ失礼。あたいはサンタマリア。こいつは連れのリグレットだよ。」
リグレットは深々と頭を下げた。







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -