「何すんだよ!!」
回復も早いのか目に涙を浮かべて起き上がる。
「お仕置きよ!!」
アリスも起き上がり、たいそう憤懣した様子で言い返す。お仕置きと言うが事実正当防衛をこじつけただけだが。
「俺まだしてねーだろ!!」
「押し倒したじゃない!!」


「誰かおるのかー!?」

ドアの奥の向こうから少女の声が聞こえた。周りの注意を怠り言い争った結果気づかれてしまったようだ。二人は固まり、そーっとドアの方を見る。足音が近くなり、アリスの顔から血の気が引く。
「どど、どうしましょう!」
そんなシュトーレンもあわてふためき一つの方向を指差した。
「窓!!あそこから抜けるぞ!」
出入り口にもなるだろう窓はアリスの身丈だと腹の真ん中辺りの高さに位置する。これならいける。

「そ…そうね!」
今はお互いを責め立ててる場合ではない。
「あ、え?…嘘でしょ!?」
鍵のノブをいくら下へ上へ動かしてもガチャガチャと中の金属が動作する音が鳴るだけでびくともしない。シュトーレンも隣
で様子を見る。
「壊せ!!」
自殺行為だ。
「無茶なこと言わないでよ!」
ただ無我夢中に鍵を動かす。必死すぎて顔を近づけて額が頭に当たっていた。そしてまた何故かシュトーレンもアリスの肩に手を添えている。何故か。
「んん〜…か、神様〜〜〜!!!」
その時だった。窓ガラスが急に消えた。ぱっと、突然に、なんの前兆もなく!

「へ…?」
ふっと体は軽くなり。

「「うわあああぁ!!?」」
二人は重なりあうようにして真下に身を投げ出した。





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