まさかと思った。
―××される―
「いや!やだ!!殺さないで!!」
首を横に振って拒絶の意を見せるもそのたび肩に加わる力が強くなる。
「だ、誰か…。」
「アホか!ここで誰か呼んでどうすンだよ!」
その言葉にはっと気づかされる。逆に不利な状況に追い込むことになるのだ。でもよく考えてみたら今でもおもいっきり不利な状況ではないだろうか。そして、その台詞を襲った方が言えるべきものなのだろうか。
「誰かあああぁ!!!!」
関係ないし自分ではこの状況をどうにもできない。アリスは半狂乱的にわめき散らかした。
「うるせえつってんだろ!!!」
誰にも来てほしくないならまず自分が黙れと思った人もいるだろう。相手の様子に釣られて自分も焦ってそれどころではないのだ。
「いやだ!イヤイヤ!嫌だ!私をどうするの!?得するの!!?」
「だから!!ほら!何も持ってないから殺さないって暴れるな!!」
何も持ってないとはいえ力でさえ使いようによっては少女一人に容易くとどめを刺すぐらいの武器にはなる。
「じゃあどうするの!?」
アリスは両手で腕を掴み離そうとするもびくともしない。強く睨む。微動だにしない。
「え!?どうする…って…。どう言えばいいんだ?」
目を丸くしてしばらくこっちを見つめる。
「…は!?」
「えっ!!?」
アリスの声に今度は相手が驚く始末だ。そろそろ相手が本当に何を考えているかさっぱりわからなくなってきた。
「……えーっと…そんなつもりじゃないんだけど、他にどういって言いかわからねーけど…。」
何故今ごろに置いてそんな言葉詰まるのか。アリスはいてもたってもいられなかった。
「なんなのよ!もう!いやだ!どうしたいのよ!!」
意地でも抵抗する。シュトーレンもやけくそに言い放った。
「…子作りしたい!!!」
そう言ったが最後だった。一瞬にして吹っ切れたアリスは勢いよく片足を上げ弧を描き見事急所にとどめを刺した!

「いってええええええ!!!」
そらそうだ。手応えはあった。あの男にも喰らわしたように、いや、心に恐怖という箍が外れたぶん更に力強く。おかげで恐怖を抑えてのたうち回ってる。速い呼吸を落ち着かせながらゆっくり起き上がり「いい気味だわ」と吐き捨てた。ここまで派手な反応してくれたら気持ちのいいものである。








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