半信半疑だったのかもしれない。だが、これで確信した。

「行けるわ!」
アリスは手を更に伸ばした。波紋は大きくなり鏡が水面となり腕を、肩を吸い込む。
「…はあ!?ちょっ、なんだあれ!!」
フードに隠れた顔はさぞかし間の抜けた表情をしているだろう。そりゃあそうだ。すぐ目の前でこの世界の常識や物理法則を超越したありえない非現実的現象が起こっているのだもの。立ち尽くすほかない。こうしている間にもアリスの体はどんどん吸い込まれていく。

「…逃がすかよ!!」
色々考えるより、今は獲物を逃すわけにはいかない。男は化粧台に乗りアリスを引きずり出そうと腕を掴んだ。だが、力を入れるにもアリスの体は掴まれている腕だけが出ている状態で重力と共に傾いた体は向こうに落ちかけてる。
「う、わ、あああああぁ!!?」
まさかと思った。手を離せばよかったものの離してはいけないのだ。アリスの体は完全に鏡の中に消え、男もまた一緒にになって向こう側に消えていった。



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