■ 1

「ぎゃはははははは!!!…や、やめろ!」
「おらおらおら!!」


いつものお茶会の席、秋に吹く朝の風はやや冷たく、だ肌寒さが残る。その為もあるのかテーブルに並ぶのは紅茶、そしてお菓子ではなくシチューと湯気をのぼらせる程温かいものばかりだった。

「…この席に座ってお菓子以外のものを食べるなんて初めてだよ。」
シフォンは目の前のシチューを頬杖付きながらじっと見ている。
「…あら、冷めちゃうわよ?」
既に全ての皿を平らげたフランネルが椅子の上に足を上げ膝を抱え込む。この姿勢は寝る証だとシフォンも察している。
「僕は猫舌なんでね。」
「…舌切り取ってあげる」
フランネルのやや殺気のこもった低い声に苦笑いを浮かべた。
「ははは、勘弁しておくれよ。」
言葉とは裏腹にただの冗談だったようでそれ以上は何も言わず大きなあくびをした。ここまではいつも通りの風景だ。

「ひゃはは…ひっ、ひぃ…やめてホント…くすぐってェつってんだろ!!」
「やだ!!」

シフォンは視線の先のどこか異様な光景にすぐに真顔になる。
「……なあ、フランネル。あいつらは何をやっていると思う?」
その問いにすかさず答えた。
「じゃれあっている、わ。」
「……………。」
当たり前だと言わんばかりのフランネルを一瞥してからまた前方の少し離れた所に目を向けた。

「ひぎゃああああああぁ!?」
「仕返しだこのやろう!!」
そこには、確かに地面の上に転がりじゃれあっているシュトーレンとなぜかアルマが言葉通りじゃれあっていた。先程までは嫌がるシュトーレンにアルマが馬乗りで(どこで拾ったのだろう)モップでひたすら相手の体をくすぐっていた…のだがいつの間にかシュトーレンがアルマの耳を掴んで形成逆転したようだ。


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