■ 14

しかし、そこに流れ込んだのは…。明らかにこちらに近付いてくる忙しい足音。
「…今日はやたらと…招かざる…客人が…。」
途切れ途切れに言いつつなんとなくで視線の先にあるスプーンをひとつひとた手にとっては真っ二つに曲げる。一方シフォンは気管に入って一人噎せていた。

「えっと、いらっしゃいませ…だっけ。シフォン…風邪か?」
「バカ!!早く水を用意しないか!!」
今度は反対にシュトーレンの方が悠長に構えた。自業自得とはいえさぞ苦しいのかそのぶん必死に喚いている。
「えええええぇぇぇぇ!!!!!!」
次第に声も近くなる。

そしてその声の主は茂みの中から勢いよく飛び出した。

「待てええぇオラアアアアアァァ!!!」
飛び出したそれは叫び声と共にお茶会の前を数メートルもくもくと土埃を立てながら真っ直ぐ滑っていった!ちぎれた草が空に舞った。
「どわあああああぁ!!?」
思わずシュトーレンは椅子も後ろに倒れるぐらいの勢いで反射的に立ち上がった。シフォンも目を見開いて凝視している。

「……………はっ、しまった!?」
すぐに飛び出したそれ、つまり人影が飛び起きる。白いブラウスも薄汚れ、水色のサスペンダー。ブロンドのショートに上げた顔を見たあたり10代前半というか体も小柄である。





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