■ 13

「俺の何を考えてるんだ?」
見た目はどうあれ中身は子供なので気になったならば聞きたがってしまう。見た目が若く見えれど成人ではあるシフォンにとってはたまにどう接していいかわからない時があるのだ、今みたいに。
「これだから子供は…。」
嫌味そうについ本音が口に出てしまった。そこには食ってかるようで
「子供じゃねーもん!!」
と強く反論する。シュトーレンは、彼の言う「子供」の指す意味をまんま履き違えていた。

その時だった。

「……ぇぇぇぇええええええ…。」


どこからか知らないが、少なくとも林のほうから雄叫びにも似た声が聞こえてきた。それをいち早く察知したのはやはり五感も優れているシュトーレンだった。
「誰か叫んでねーか?」
片耳だけをぴんと立たせ声のする方向に目星をつけようとするがそれはまだ難しいみたいだ。いつになく険しい表情のシュトーレンに改めて野生の勘を思い知らされるもシフォン、フランネルでさえまだ呑気に構えていた。

「なあ、おい!」
「焦らずとも良い。」
気づいてないのを危惧したシュトーレンに肩を揺さぶられながらも平然と近くにあったクッキーを拾って食べている。
「貴方は感じた気配が「どんなものか」を察知する力がないのね。」
フランネルが後ろで呟いた。シュトーレンは怪訝そうに振り向く。
「…あ?何言ってンだ。じゃあどんなものなんだよ!!」
今度はフランネルに詰め寄った。相変わらず彼女は全く物動じしない。

「………少なくとも、警戒するまでもないわ。」
大きく欠伸をしてテーブルに突っ伏してしまった。もうしばらくは彼女の滑舌のよい言葉を聞けそうにはないだろう。
「フラン!ケイカイってなんだっけ…。」
「そうだね、君ば軽快゙するべきだ。」
適当な語呂合わせで流そうとした。





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