■ 11

シフォンは下まで目を通したあと、自分に拒否権がないと悟り、深い溜め息をついた。
「何が招待状だ。これじゃあただの脅迫状じゃないか!」
やけくそで脅迫状(招待状)をテーブルに投げ付ける。その動作にシュトーレンがわずかに驚いた。

「シフォン…?」
「いや、なんでもない。こっちの話だ。」
適当に流したが何か気掛かりな事があったらしく「いや、待てよ?」ともう一度手紙を確認した。
「これは僕だけにきたものなのか?」
「そうだとしても私たちは見納めに行かせてもらうわ…。」
救急箱を片手にぶら下げ気だるそうなフランネルが口を挟んだ。

「見納めってどういう意味だい?」
不機嫌そうなシフォンに対し
「遅かったな!さっき鳩きてたぜ!鳩!」
とえらくシュトーレンはご機嫌だった。
「…私あんまりアイツ好きじゃないの。」
救急箱から消毒用のアルコールと綿を取りだしシュトーレンの背後へと回る。

「見納めは冗談よ、多分…。どっちみち行くわ。この子もまだ直接会ったこと無いだろうし…。」
アルコールを染み込ませた綿を傷口に当てる。
「いた…痛い…何してるんだ?」
「消毒よ、しょーどく。」
やはり乾いてない傷口には染みるようだ。

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