■ 2

行動だけ見ればとても微笑ましい…のだが、青年よりの少年とでかい図体をした青年(年齢は省く)が戯れているところを見たってなんとも思わないどころか朝の爽やかな気分も台無しである。シフォンにとっては煩わしいだけだ。
「全く…やるならせめてよそでだな…、あっそこの犬!噛むのはよせ…。」
とシフォンが言ったときにはもう遅かった。勿論、更なる仕返しに甘噛みなどするわけがなく腹だけではなく本気で歯も立てた。
「痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」
思わず掴んでる手に力を入れ、相手も口を離さない。お互いに痛めつけてる絵はなんとも言いがたかった。

「言わんこっちゃない…。」
このままでは埒が明かないと渋々シフォンは仲介に入ろうとした。あえての遠方からで。
「一発黙らせてやるか。」
そう言って帽子から取り出したのはこの場に合わなさすぎる物騒な、綺麗に手入れのされたリボルバーだった。
「大胆ね。」
「びびらせるだけでいい。」
シフォンは二人の後ろに並ぶ1本の樹に狙いを定めた。突然の発砲音が近くでしたものなら驚くに違いない。決して二人をターゲットしているわけでもないのだ。

「へえ〜、猫じゃないのに猫舌なんだ。」
何の気配もなく、さっきまでいるはずなかった人影がまるで今までいたかのようにシフォンの隣の席に座っていた。
「うわあああっ!?」
もう引き金に指を置いていたシフォンは驚きのあまりに自分の考えていたタイミングより早く撃ってしまった。わずかに手元が狂う。



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