淘汰の国のアリス | ナノ

「マインドやスピリットには精神があって、ハートやマインドには心がある。スピリットには魂がある。ハートにはあと何が残されてるでしょう」

「!?」

唐突すぎるチェシャ猫のなぞなぞにアリスも「何言い出すの」と訝しげに眉を寄せた。

「わかったら尻尾触らせてあげる」

途端にアリスは深く考え込んだ。


「聞く限り、一つの言葉に含む意味は二つまでのようね…」
どこかで見たような銅像のように手を口元に当て唸っている。しかし相手の挑戦的な態度に引き下がりたくもなかった。いきなりのなぞなぞの上になんだかレベルが高そうにも感じたが。

「感情…?」
アリスは自信なさ気にそう呟いた。チェシャ猫はいかにも拍手をしそう、手応えを感じ…

「ぶっぶー!はーずれー!」
ハズレだった。

「えーそんなーっ!いきなり出されてもわからないわよ!!」
「いきなりも何も関係ないね。君がボキャ貧なだけさ。」
ムキになるアリスに冷静に留めを刺した。ああ、まさか猫にボキャ貧とまで言われるとは。方向音痴を発掘されたりと動物とやらは案外容赦ない。


「……答えは?」
しかしこのままスルーされるわけにもいかない。尻尾のおさわり権は無くなったものの逆に猫が絞りだしたなぞなぞのレベルも知りたいのだ。


「答えは…………愛だ。」





どうしたらよいものか

どうしたらよいのだろうか



「……ね、猫さんそれ…」
「愛だ。」
こういう時にこういう事しか答えてくれないのだから困る。


「愛って…まあ、愛なんだけどーそのー…好きてことよねー、なーんてあははは」
「ん?好きだよ?」
「!!?」

アリスは一気に顔を赤らめパニックになる。




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