淘汰の国のアリス | ナノ


「一緒じゃねーよ。」
と言って、悪戯そうにニッコリと笑うと。長い袖から見える、鋭く尖った何かで、引き裂いた。


「いやあああああ〜!!」

アリスは思わず目をギュッと閉じた。…が、悲鳴は聞こえたものの、どこか間の抜けた様子だったので恐る恐る目を開いてみた。


真っ赤な全身タイツが見事に真ん中でぱっくりと避け、カツラまで取れてそこには全裸の男性…ややおじさんが胸と大事な所を隠して叫んでいた。きちんとネズミの耳と尻尾は生えていたが…頭は太陽の光を全反射するがの如く綺麗な更地、なぜだろう、顔にはうすい化粧をしている。ある意味無惨な姿だ。

「あなたっ…咲きかけの未熟な蕾から花びらを剥くなんて最低よ!…もーやだあああ!ちょっとジロジロ見ないでよ!!」
「男なのに女みたいな喋り方してるー」
チェシャ猫はなんだか楽しそうだ。アリスは慣れない男の身体に目を伏せることしかできなかった。

「い、行くわよ!アンタ達!!」
「は、はいいっ!!」
オカマらしいリーダーは我先とこれまた女走りで、他二人もライフルを拾っては急いで後を追いかけ一目散に逃げていった。






「………………。」

追いかけようともせず、小さくなる三つの影を眺めていた。

「……猫さん!!」
アリスは慌てて駆け寄った。
「ケガは!?痛い所はない!!?」
「うん、へーきへーき…ッ、う…ぐっ…」
チェシャ猫をなだめようと頭に手を伸ばした瞬間、突然お腹を抱え苦しそうに呻き背中を丸めた。

「猫さぁん!!!」
心配そうにしゃがみ込んでエプロンのリボンをほどこうとする。包帯にはなるぐらいの幅と長さだ。出来るだけのことがあるならと急いで手当てをしようとした。





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