「そこの疫病猫!!」
その声のわずか後に、道の脇から人影が颯爽と登場した。三人の細身の男性だ!右から赤、青、黄の全身タイツを身に纏い口には風邪の時にお世話になるマスク、頭にはまりものようなカツラ、安っぽい白いマントが風になびいてひらひら揺れている。
「な、なんなの…?」
「なんなんだろーね」
「…ククク…貴様…そんな間抜け面をしていられるのも今のうちだぞ…!」
1番右側の男性がそう言った。そしたら隣にいる青いタイツの男性が「リーダーは真ん中だろ!」と言って二人は慌てて場所を入れ替えて何事もなかったように毅然たる態度をしている。
「…猫から言わせれば、君達は存在自体が間抜けだよね。」
「いまどき流行らないわよ、そんなの。」
「ううううるさい!!時代が我等についていけてないだけだ!!」
「…あの、俺やっぱやめていいっすか…あだっ!」
チェシャ猫とアリスの冷たすぎる反応にタイツ以上に赤くなったリーダーがこちらを指差しわめいている中、黄色いタイツの男性が呟いた瞬間リーダーにげんこつされた。
登場早々グループ崩壊の臭いを漂わせている。
「…で、何なの?あなた達は…」
「我々は貴様に用はないのだ。」
リーダーはびしっと、指を差したのはチェシャ猫の方だった。アリスも思わず差された方を見るが当の本人はビビりもしない。
「チェシャ猫め!!貴様…我等が同胞を…喰らいよって!!我々は仇を討ちに来た!!いざ勝負なり!」
アリスは心の中で「仇討ちでなんで勝負を求めるのよ…」と呆れ返っていた。しかし、三人が取り出したのはなんとライフルだったのだからアリスの顔は一気に青ざめた。
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