淘汰の国のアリス | ナノ


「あなたが…そのっ、芋虫学者さんなのね!!?」
アリスは驚きと同時に嬉しくて目を眩しいほど輝かせる。表情がコロコロ変わるのについていけず少し戸惑いながらその様を眺めていた。

「私!あなたを探していたの!」
「……私をか?」
「あなた、凄く頭がいいんですって?キノコにも詳しい学者さんだって色々な人から聞いたわ!」
とは言うも確かに聞いたことは事実だが凄く頭がいいとも聞いてなければ色々な人からも聞いてない。あざといぐらい大袈裟にしているのか、テンションが上がって曖昧になったのか。だがシグルドはやや照れるも否定はしなかった。

「ま…まあそうだ!私ほどここら辺のキノコに詳しい者はいないからな!……ところで何故私に会いたかったのだ。」
「私の身体を元に戻してほしいの!」
「………は?別になんともなっておらんではないか。」
思わぬ返事にアリスは必死に訴える

「いいえ!私…身体が小さくなっちゃったのよ…。一度小さくなって次はとてつもなく大きくなって…また小さくなったの…!

「…ふん、くだらん。実に馬鹿馬鹿しい。」
「な…なんですって!?」
今度はいきなり冷たくあしらわれアリスは内心腹を立てた。

「冗談じゃないんだから!私だってこんな…」
「ではまず何故そのような身体になった」
「…それは…。ケーキを食べたり、水を飲んだり、こんぺいとう食べてたら…。」
「全て自業自得ではないか!!」
ぴしゃりと叱りつけられアリスは黙り込んだが、そのまま黙ってもいられなかった。

「だって自分から食べて下さいって言ったんだもん!?」
「無視すればよかっただろう。優柔不断な己が撒いた種だ。」
そこまで言われては自分に負があるアリスは何も言い返せなかった。ここで引き下がるわけにもいかないがどう無駄に反論したって勝てそうになかった。






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