淘汰の国のアリス | ナノ



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「ここが淘汰の国なのかー!」
二人の少女が樹海の中を軽い足取りで歩いていた。前を切って歩くのはやや幼いドレスを着た一見育ちの良さそうで、その後ろをついていくのは10代半ばぐらいで軽い鎧を装備していた。

「本当にたどり着くんですか…?一応道なりに進んでるから迷いはしないでしょうが…」
鎧の少女がおずおずと訊ねる。
「道の先には必ず何かがあるのだ!とにかく言われたとおりに進むのだ!」
一方ドレスの少女はかなり自身に溢れた様子で頼りない光を灯すランプを片手に意気揚々とでこぼこ道を踏んでいく。

「…にしても、エリザベータ様に言わなくて良かったのですか?後でばれたら何を言われるかわかりませんよ…俺…いや、私は…」
「だいじょぶだいじょぶ!リナは遊びに行っただけなのだ」
二人は進む。意思に迷いがなく、道を迷うことなく。

「クックック…淘汰の国も、ゆくゆくはこのエカテリーナ様のものなのだー!!
無邪気な高笑いは暗い深い森にこだまとして返ってくることもなく冷たい空気に吸い込まれていった。










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