淘汰の国のアリス | ナノ

「にしても君は悲しくはないのかね?彼らはもういないのだよ?」
「そうだよ、セージ」
ジョーカーの問いに続けてアルカネットが口を出す。
「いつもいつも「嫌なことは忘れよう」って言うけどさすがに忘れられやしないだろう。君の場合。前向きとか言って押し殺してるだけじゃあ…」
両方から同じ事を問われ目を瞬かせるも自然に見えるように笑い諂った。

「忘れないよ、すっごく悲しいことだけど忘れない。でもさ…今死んだら未練たらたらできっと化けて出ちゃうよ」
「…お前…」
アルカネットには見破られていたらしく彼は反対にいたたまれない気持ちにむず痒くなる。セージは持ち前の鈍さで気づかなかった。
「それにさ、わざわざまたこうやって生かせてもらったんですから、天国のあの人達を安心させてやりましょーよ!」
今度は隠した気持ちのない爛漫な笑顔で「お化けだぞ〜」とやたらに絡み出してきたのでアルカネットは「はいはいわかったから」と適当に逃げかわした。

「…あー、そういうのは一先ずここを出てからにしてくれないか。」
呆れ口調にも聞こえる言葉のジョーカーは無表情だった。
「じゃあボクらを帰してくれませんか?」
「話がまだ終わってないなだが…」
何の悪びれもないセージにいつも通りにアルカネットが「すいません…」と小声で謝った。




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