淘汰の国のアリス | ナノ

「それは、こういうことさ☆」
ジョーカーはそう抑揚良く言い放った後、左手の指を鳴らした。その直後、さっきの指鳴らしが何を意味しているかわかるはずはないそんなセージとアルカネットの頭上で小さな爆発音がした。
「わあぁ!?」
「な…っ!?」
当然、驚くわけで音と頭に直接残る衝撃に二人とも両手で頭を庇った。その様子をたいそうご満悦そうに見ていたジョーカーが手を二度ほど叩いて彼らの視線をこちらに向ける。
「帽子を見てごらんよ」
二人は言われた通り帽子を外す。一見すると何の変化もなかった。

「…いや、一緒では…」
なぜか中を覗きこむアルカネットに何かに気づいたセージが肩を叩く。
「ねえねえ!見てよコレ!」
そして人差し指で示したのは彼らの帽子についているバッジだった。
「ダイヤから…ハートになってるよ!」
「…本当だ!しかもこの文字は…」
ここに来たときもバッヂの模様は赤のダイヤにバツがかかったものだったが、今見てみたら赤のハートの上にセージは「J」、アルカネットは「A」の文字が描かれていた。

「そう、つまり女王は君達に彼らの役を継承させようと考えたのさ。その為には一回こうして形だけでも転生させておかないと―…」
「つまりボクらはハートのエースとジャックとして生まれ変わったってこと!?」

帽子をぎゅっと胸に抱えながら身を乗り出して会話の途中に詰め寄られたジョーカーは「うん、そうだな…」と苦笑いで返した。




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